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季節の民俗誌 野本寛一著 日本人の季節感 学びの扉を開く

平成29年01月30日付 6面

 野本氏は丹念なフィールドワークを通して、人々の暮らしと、その暮らしを形づくってきた自然環境やさまざまな動植物との関係を詳らかにしてゆく「生態民俗学」の分野を切り拓き、「環境民俗学」の発展に大きな功績を残してこられました。そして一昨年秋、長年に亙る民俗学・地域文化振興への業績により文化功労者として顕彰されました。
 季節との直接の関係が薄れてゐるだけではなく、大都市圏のヒートアイランド現象など、気象そのものの変容も顕著となってゐます。神の恵みを寿ぎ称へる祭りを通して継承してきた季節との深いつながりが、生活の場から失はれようとしてゐる現代、「手のとどく過去」に、そして今日も「限界集落」や「消滅可能性」など、大都市目線の言葉で括られてゐる地域にこそ息づいてゐる日本人の季節感を問ひ直し、学んでゆく必要があるでせう。本書はその学びの扉を開けてくれる貴重な一冊です。
〈本体4800円、玉川大学出版部刊。ブックス鎮守の杜取扱書籍〉
(神社本庁参事・稲貴夫)
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