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【読書】篠原 裕編著『三島由紀夫かく語りき』 時を越えて問ひかける三島由紀夫の魂の言葉

平成29年08月28日付 4面

 今年五月、安倍自民党総裁の憲法改正に関する新聞紙上での発言により、改憲機運は急速な盛り上がりを見せた。しかしその後、政治的諸問題(と呼ぶに値しない騒動)が続発し、憲法に関する議論は鳴りを潜めてしまったかに思はれる。
 冷静に考へて、自国の憲法をどうするかは時々の政治状況に左右されるべき問題ではない。にも拘らず、これまでも種々の障壁が立ちはだかり、あるいは自ら機会を閉ざしてきたのが憲法改正をめぐるわが国の歴史と言ってよい。
 その歴史に、文字通り命を懸けて体をぶつけたのが三島由紀夫であった。

 本書は、「文化防衛論」「葉隠入門」「革命哲学としての陽明学」等、三島の代表的評論の他、あまり取り上げられることのない作品や、石原慎太郎、村上一郎との対談における言葉を読み解き、ときに三島と編者との遣り取りも含め述べてゐる点に特徴がある。

 その死に籠められた問ひかけは、間違ひなく今も生き続けてゐるはずである。
〈本体1800円、展転社刊。ブックス鎮守の杜取扱書籍〉
(近現代史研究家・松枝智瑛)
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