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時の流れ研究会 改めて見解を発表

平成29年07月10日付 1面

 神社新報社が設立した「時の流れ研究会」(会長=高山亨神社新報社代表取締役社長)では、「天皇の退位等に関する皇室典範特例法」の公布を受け、次の通り「御退位(譲位)・御即位・改元の期日並びに関連する祭祀・儀式・行事などについての見解」を発表した。

御退位(譲位)・御即位・改元の期日並びに関連する祭祀・儀式・行事などについての見解
神社新報社時の流れ研究会 平成二十九年七月八日


 「天皇の退位等に関する皇室典範特例法」が本年六月九日に国会で成立し、十六日に公布された。「退位」の期日は、「公布の日から起算して三年を超えない範囲内において政令で定める日」となった。今後、政府は天皇陛下の御退位と、皇太子殿下の御即位、改元の期日、また宮内庁では御代替はりに関連する儀式の実施方法を協議する準備委員会を設置し、政府とともに具体的なあり方について本格的な検討を始めるであらう。
 それにあたり、現憲法のもとではじめてとなる御退位(譲位)による御代替はりに際して、関連する期日ならびに祭祀・儀式・行事などが、伝統を尊重し、後世の良い指針となるやう、関係機関の真摯な尽力を切に念じてやまない。
 本研究会では六月五日付紙面で「天皇陛下の譲位関連問題に対する見解」を発表したが、標記の事項について見解の要点を改めて発表し、紙上を以て関係機関に提言する。

一、御退位(譲位)・御即位と改元の期日について

1 平成三十一年は今上陛下が御即位されて満三十年であり、慶賀の年である。是非とも十年・二十年にならひ、「奉祝」と「感謝」の政府の記念式典・行事の実施を国民として希望する。
2 平成三十一年一月七日予定の「昭和天皇三十年式年祭(大祭)」は、十年祭・二十年祭と同様に今上陛下の御親祭により斎行されることを切望する。
 右により、御退位(譲位)・御即位日は、平成三十一年一月七日の昭和天皇三十年式年祭ならびに御即位(践祚)三十年奉祝の政府式典の後であることが望ましい。なほ、改元日は四月一日が一例として想定され得るであらう。

二、御退位(譲位)・御即位(剣璽等承継の儀)・即位後朝見の儀にあたっての儀式・祭祀について

3 御退位(譲位)の儀式と御即位に関はる儀式(剣璽等承継の儀)は、歴史・伝統からして一連のものとして「国の儀式(天皇の国事行為)」として斎行されるべきである。
4 このたびの御代替はりは、明治以降の例と異なり、崩御ではなく、御退位(譲位)に伴ふことから、それを踏まへて、各儀式にあたっては旧登極令・旧皇室祭祀令等を参酌して、宮中三殿及び神宮・山陵を主体とする祭祀の斎行を検討願ひたい。
以上