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御譲位に関連し儀式元号を議論 時の流れ研究会

平成29年11月06日付 2面

 神社新報社が設立した「時の流れ研究会」(会長=高山亨代表取締役社長)は十月五・六の両日、「天皇の退位等に関する皇室典範特例法」公布に伴ひ、御譲位による御代替はりが平成三十年末か三十一年四月に予測されるなか、関連する諸事項についての研究会をおこなった。
 同会は九月十一日付の『神社新報』号外で御譲位に伴ふ皇位継承の諸儀次第案を提示し、「宮中三殿における祭祀」の重要性を示すなかで、「御譲位奉告の祭典」の斎行が望ましいとの見解を明らかにした。
 この祭典は登極令には、崩御を前提とするため定めがないが、御譲位のおこなはれてゐた近世以前では、例へば御譲位を控へた第九十一代・後宇多天皇が内侍所に行幸され、第百二代・後花園天皇が内侍所臨時御神楽をなされてゐる。関連して、即位後に三夜続けて内侍所御神楽をなされた天皇のをられたことなど、御代替はり前後の祭儀の先例について確認し、検討を加へた。
 また、近代憲政史上初となる譲位に際し検討を要する憲法問題(天皇の国政不関与や主権在民との関連など)について検討したほか、このたびの御代替はりにあたり元号使用の定着に向けた国民啓発が必要といった意見があった。