文字サイズ 大小

【新刊紹介】櫻井義秀編『しあわせの宗教学――ウェルビーイング研究の視座から』 多角的な考察で宗教と幸せ論ず

平成30年04月02日付 6面

 「しあわせ」とは何だらうか。我々神職は日々祝詞の中で「幸く真幸く」や「幸へ給へ」などと人々の幸福を祈ってゐる。だがその「しあわせ」とは何なのか、神道がいかに人々を幸福に導けるのか突きつめて考へる機会は少ない。左様な状況において幸福について正面から論じた本著は一読に値する。

 冒頭に編者が論じてゐることだが、神道や仏教のやうないはゆる伝統宗教は、外来宗教や新興宗教に比べて福祉活動など人々の幸福を希求するための直接的な努力が稀薄であるやうに感じられる。無論社寺ともに神仏に祈り、施設を維持することを第一義とするとしても、人々を幸せにする、といふ視点を個々の神職が自覚することは今後の斯界の発展に欠くべからざる要素であるやうに思ふ。
〈本体2500円、法藏館刊。ブックス鎮守の杜取扱書籍〉(茨城・常陸國總社宮禰宜、ライター 石﨑貴比古)
関連書籍
[31430018] しあわせの宗教学 新刊 おすすめ
2,500 円(本体価格)
櫻井 義秀 (編) / 法藏館
詳細

読書 一覧

>>> カテゴリー記事一覧