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論説 「指定団体」等の活動 活性化に向けた意見開陳を

平成30年09月03日付 2面

 神社本庁の関係団体には、神社の氏子総代をもって組織する全国神社総代会や神道精神を国政に反映させるべく諸活動を推進してゐる神道政治連盟に加へ、それぞれに組織的特徴を有する六団体があり、「指定団体」として育成・助成が図られてゐる。
 全国敬神婦人連合会(敬婦連=神社に奉仕する婦人会の連合組織)、神道青年全国協議会(神青協=全国の青年神職で組織する団体)、全国神社保育団体連合会(神保連=神社関係の保育園・幼稚園で組織)、全国教育関係神職協議会(全教神協=教育関係の仕事に従事する神職の組織)、全国神社スカウト協議会(神S協=神社を育成母体とするボーイスカウト・ガールスカウトで組織)、全国氏子青年協議会(氏青協=神社に奉仕する青年会の連合組織)――以上の六団体だが、名称からも推察されるやうに必ずしも全国すべての神社に共通したり、全神職が関係したりするやうな活動ばかりではなく、それぞれ特徴を持ち、またその特性を活かした形で実績を挙げてゐる。



 六つの団体をおほまかに類型化すると、敬婦連と氏青協は神職以外の氏子崇敬者、神青協や全教神協は神職、神S協・神保連は神社が母体となって活動する団体により組織され、それぞれ全国大会や研修会などを開催してゐる。
 今年の例を見ると、氏青協は全国大会で氏子としての神社奉仕・奉護のあり方を確認するとともに、社会活動等について意見を交換した。神青協は恒例の夏期セミナーを開催して研修を深め、全教神協は御即位三十年奉祝の全国大会で日本に相応しい教育のあり方について研修した。神S協は加盟各団の活動に加へ、日本スカウトジャンボリーに参画して一般スカウトに向けた教化活動も展開し、神保連は各地で地区研修会を開催して所属園職員が神社に相応しい幼児教育のあり方を学んでゐる。



 「指定団体」がこのやうに活動する一方、全国女子神職協議会や全国神職保護司会のやうな各種団体も活潑な活動を続けてきた。これらの団体は、該当する神職らが情報交換の必要性などからいはば自主的に組織したもので、「指定団体」ではないものの課題の共有などを通じてそれぞれが日常の活動に必要な取組みをおこなってゐる。
 一般的な組織論として、執行部と構成員との間の情報伝達は一方通行よりも双方向の情報交換がおこなはれてゐる方が活潑な活動展開へと繫がる。すなはち、構成員の求めるものを執行部が適切に判断して実行に移し、またその結果に基づく調整が求められることで、より円滑な組織運営が図られる。その前提となるのは相互の意見交換であり、自主的に組織された団体であれば、設立趣旨や活動目的を充分に理解した執行部と構成員によって積極的かつ有意義な活動展開が見込まれるといへよう。
 もちろん既存の組織においても、設立趣旨や活動目的について周知を図り、充分な意見交換をおこなふことが円滑な組織運営のために必要であることはいふまでもない。



 「指定団体」はそれぞれに歴史を有し、このうち今年創立七十周年を迎へた敬婦連は九月六日に神奈川県横浜市で記念大会を開催する。終戦直後の神道弾圧下において、敬神崇祖の念を女性の立場から再興しようと結成されたもので、現在は約八百団体が加盟してゐる。もちろん全国神社の数からすれば少数との見方もあるが、各神社においては組織化はされずとも敬神崇祖の念を持った女性がそれぞれの形で奉仕してゐる。かうした存在に対して、今後いかにに組織として理念を伝へ、ともに活動していけるかが重要であることはいふまでもない。そのためには会員一人一人が組織の設立趣旨と活動目的を理解するとともに、自らの置かれた立場と組織との関連性を常に考へていく姿勢が求められるだらう。
 もとより、このことは一つ敬婦連だけでなく、「指定団体」をはじめ神社界すべての組織に提言するものである。神社界においては、ややもすれば沈黙を是とするやうな雰囲気もあるのかも知れないが、設立趣旨や活動目的を十分に理解した上で、自らの立場を踏まへて積極的に意見を開陳することが重要である。このことを改めて指摘し、各団体の一層の発展を祈るものである。
平成三十年九月三日

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