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阿羅健一・杉原誠四郎著『対談 吉田茂という反省』 今だから読んでおきたい 吉田が招いた栄光と悲劇

平成30年09月24日付 5面

 吉田茂については、終戦直後に焦土と化した日本と、その経済を復興させ、世界が驚愕する高度経済成長をなし遂げた源であると評価は高い。しかし、それは真実であらうか?
 占領軍は、日本の再軍備を促したはずなのに、それを拒否した吉田に「日本の国防」に対する意識はあったのか? 憲法改正の機会があったにもかかはらず意図的に機を失はせたのはなぜか? では一体、吉田茂は善なのか悪なのか? シナ・半島の迫りくる危機に、丸腰のまま対応せざるを得ない今の日本の現状を踏まへ、当事者であった吉田茂を近現代史に精通する阿羅健一氏と杉原誠四郎氏の二人が対談といふ形で検証したのが本書である。

 吉田は、一人の人間としてみればひじょうに幸運な星のもとに生まれ、育ち、人生を送った。しかし、一国の総理としてみればその器ではなく、政治・外交とも及第点をつけられない人物。そのツケが現在の我々国民にも回ってきてゐる。この間に失ったものは大きい。
 平成二十八年に刊行された『日本国憲法と吉田茂―「護憲」が招いた日本の危機』(田久保忠衛氏と加瀬英明氏の対談)も好著である。併せて読めば吉田茂とは何であったかが、より明確になってくるはずである。
〈本体2500円、自由社刊。ブックス鎮守の杜取扱書籍〉
(全国教育関係神職協議会前会長、鳥取・葦原神社、伯耆稲荷神社宮司 河合鎭德)
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