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【新刊紹介】近藤好和著『天皇の装束 即位式、日常生活、退位後』 現代まで継承された御装束の歴史紐解く

令和元年05月27日付 6面

 今年は御代替りの年。天皇陛下がめでたく御即位になり、国をあげて慶祝の気運が昂まってゐる。神社界はもちろんのこと、各方面で御大礼関連のことが注目を集めてゐる。
 そのやうな佳節に出版されたのが『天皇の装束』である。著者は有職故実研究の泰斗である近藤好和氏。主に摂関期以降の中世の天皇の御生涯を丹念に辿りながら、それらの御装束のもつ意義を明らかにし、神事をはじめ即位式、年中行事、日常の御生活等、全般に亙る聖上のお召し物について詳細に解説されてゐる。

 メディアの発達した現在では国民全員が龍顔(陛下のお顔)を認識してゐるが、少なくとも中世では御簾越しに臣下と接するなど、龍顔はむしろ隠されたものであった。そのやうな時代に、一目見れば誰もが聖上とわかるのが天皇の御装束であったことがよくわかる興味深い一冊である。
 現代まで受け継がれてきた御装束の歴史を紐解き、歴史の節目となる今回の即位式での御装束にも注目してみたい。
〈本体880円、中央公論新社刊。ブックス鎮守の杜取扱書籍〉
(國學院大學兼任講師、愛媛・高忍日賣神社権禰宜 後藤正明)
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[30980111] 天皇の装束 即位式、日常生活、退位後 新刊 おすすめ
880 円(本体価格)
近藤好和 著 / 中央公論新社
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