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論説 結成五十年の正念場に団結を 神政連中央委を終へ

令和元年06月24日付 2面

 令和の御代を迎へて最初の神道政治連盟中央委員会が、六月十二日に神社本庁で開催された。七月には議員の半数が改選となる参議院議員の通常選挙が予定されてゐることもあり、自由民主党からは加藤勝信総務会長、稲田朋美副幹事長、神政連の推薦を受けて四回目の当選を目指す参議院自民党政策審議会長の有村治子議員、それに自民党北朝鮮による拉致問題対策本部長の山谷えり子議員も来場し、有村議員の支援で盛り上がった。
 中央委員会の前日には、現在衆参合はせて二百九十八人の国会議員が参加してゐる神政連国会議員懇談会の総会がおこなはれた。そこでは皇室・憲法・教育や、いはゆる靖國神社問題など、国家の基本的な問題に関する勉強と実践活動などについての報告と事業計画の発表があった。神社界ならびに神政連が目指す目標や国民運動などの諸活動も、最終的には国会議員を通じて実現をはからなければならないことが多い。それだけに、志を同じくするこれらの国会議員とは中央本部ならびに都道府県本部において、それぞれに一層親密な連携を保ち、当面する諸課題に取り組んでいってもらひたい。



 令和元年の神政連の活動方針としては、参議院選挙対策の他に、皇室関係では諸団体とともに御大典の奉祝活動を盛り上げることを掲げ、憲法改正では国民啓発活動の強化を目標にして、福岡・大阪に次いで今秋には名古屋でも「公開憲法フォーラム」の開催を予定してゐる。教育の面では、四月から全国の中学校でも検定教科書を用ゐた「道徳」の授業が始まったことから、家庭と学校と地域とが連携した道徳を育む活動を目指す。また靖國神社については今年が創建百五十年にあたることを踏まへ、この機会を捉へて靖國神社・護国神社への参拝を一般に広く勧奨するとともに閣僚をはじめ各自治体の首長など公人の参拝も積極的に働きかけ、国と郷土における戦歿者慰霊の精神を喚起していくこととしてゐる。さらに安全保障の面では、表の対日融和とは裏腹に、中国が海警局を軍の組織下へと編入を進めて尖閣諸島周辺域での威嚇航行をくり返し、韓国もまた日本海で自衛隊機に対して不測の事態を引き起こしかねない大胆な行動を取るなど厳しさを増してきてをり、政府の毅然とした対策が望まれる。
 加へて中央委員会では出席者から、北朝鮮による拉致問題への対応や、地方自治体でのいはゆる「パートナーシップ条例」制定の動きについて慎重な対応を求めていく必要があるなどとの意見も出されて注目された。



 天皇陛下におかれては、今秋十月二十二日、即位礼当日賢所大前の儀において神前に御奉告ののち、高御座に登られて国の内外に御即位を宣明される即位礼正殿の儀に臨まれる。そして、十一月十四日から十五日にかけては大嘗祭が執りおこなはれる。大嘗祭はいふまでもなく皇位継承に不可欠のものとされ、即位礼と一体をなす一代一度の最も重要な御親祭とされてゐる。皇室の重儀であるとともに、広く国民が奉祝・参加して天皇陛下が国民を統合なさる意義深い国家的祭典でもあるのだ。
 特別に造営される大嘗宮には、全国を代表する形で東西の悠紀・主基両地方の斎田で収穫された稲の新穀が、畑で採れた粟とともに神饌として供され、四十七都道府県からは庭積机代物として各地の特産物が奉献される。さらに旧三河国・阿波国からは¥文字(G0-B86F)服と麁服も奉献されるなど、古代からの日本民族の衣食住の風儀を再現する大嘗祭は、わが国の国柄に思ひを馳せる貴重な機会とならう。中央委員会の席上でも、大嘗祭の本質を国民、とくに若い人たちに啓発すべきであるとの提言があったが、教育上もひじょうに重要なことで、それは神社人にとっての使命であるといはねばならない。



 神政連は今年結成五十年の節目を迎へる。役員改選では会長以下四役が留任し、引き続き活動の重責を担ふこととなった。秋の大嘗祭が恙なく終はれば、いよいよ「天皇の退位等に関する皇室典範特例法」の附帯決議を踏まへ、いはゆる「女性宮家」創設をめぐる議論が再燃してくるだらう。万世一系の皇統を護持し得るか否かの正念場を迎へることになる。この大事な時期に、神社界が一致団結して真剣にこの問題に取り組むことを期待して已まない。

令和元年六月二十四日

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