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論説 令和初の新春を迎へ 斯界挙げ今年の課題に対処を

令和2年01月13日付 2面

 令和の御代となって最初の新春を迎へ、晴天に恵まれた正月二日、皇居では恒例の一般参賀がおこなはれ、七万人近い人々が訪れた。
 皇室におかれては、今年四月十九日に秋篠宮皇嗣殿下の立皇嗣の礼が執りおこなはれる。殿下が皇位継承順位第一位の皇嗣となられたことを公に宣明される儀式で、悠仁親王殿下が第二位の皇位継承者となられたことも改めて明らかとなる。
 悠仁親王殿下と同世代には皇位継承有資格者がゐないことから、立皇嗣の礼が終はれば、政府において先の「皇室典範特例法」における附帯決議の要請に基づき、「将来的に安定的な皇位継承を確保するための諸課題、女性宮家の創設等について」の検討が始まるものと思はれる。斯界においては、安易な世論の動向に惑はされることのないやう、百二十六代の今上陛下まで例外なく続いてきた皇統の男系継承の大原則に則った方策を提示して、政府と国会、マスコミと一般国民に対して積極的な啓発活動をおこなっていかなければならない。

 千三百年以上続くわが国の元号の歴史のなかで、今次「令和」が初めて国書の『万葉集』を典拠として案出されたことで、昨年来、日本古典の『万葉集』への興味と関心が昂ってゐるのは喜ばしいことだ。さらに時恰も今年は、わが国の最初の正史である『日本書紀』が撰上されて千三百年といふ銘記すべき年にあたってゐる。
 天武天皇の命により編纂された同書は、神代の神話、伝承に始まり、初代・神武天皇から第四十一代・持統天皇までの歴代天皇の御事績を年月を追って編年体で記述した史書で、その伝統は『昭和天皇実録』にまで受け継がれてきてゐる。
 天皇陛下には、このたびの御代替りにおいて即位の礼に続いて大嘗祭を御斎行遊ばされて、無事に両儀を終へられた後、皇祖神を祀る神宮をはじめ、神武天皇と昭和天皇以前四代の天皇の山陵へ行幸され、さらに宮中三殿で親謁の儀を執りおこなはれた。これはまさに日本の国が、『日本書紀』に見るごとく、神話と伝承と歴史が連続して今日まで生き続けてゐる世界でも稀有な国であることを顕現したものといへる。戦後教育のなかで、神話や伝承、建国の歴史などは否定されてきたが、この機会に改めて『日本書紀』を繙き、自国の尊い歴史と国柄を確認したい。

 今年、わが国で注目されてゐる最大の行事といへば、何といっても昭和三十九年以来五十六年ぶりとなる二回目の東京オリンピック競技大会であらう。真夏の七月二十四日から八月九日にかけて三十三競技・三百三十九種目でメダルが競はれる。参加国数も前回から倍増して二百を超える国と地域からの参加が予定されてをり、これまでで最大規模の大会となる。またオリンピックに続いてパラリンピックが開催され、競技は九月六日まで続く。
 開催国として、円滑な大会運営に本領を発揮しなければならないが、猛暑やテロなどから選手と観客を守れるかどうかの心配もある。元々オリンピックは、ギリシャで神話の神々に捧げるための宗教儀式として始まったものだ。平和の祭典を目指してきたが、戦争で中止になったり、テロの対象になったりもしてきた。目下、アメリカとイラン、北朝鮮などとの関係が険悪化してをり、諸外国の要人も多数来日することから万全の治安対策が望まれる。

 今年は、皇室の尊厳護持や多年の念願である憲法改正運動などに取り組んできた神道政治連盟が五十周年を迎へる記念行事を予定してゐる。
 そのほか斯界において取り組むべき課題は多々あるが、年末に発表された令和元年人口動態統計の年間推計によれば、国内で出生した日本人の数は八十六万四千人で、予想以上の速さで子供の数が減少してゐることも大きな課題であらう。問題は戦後の教育と社会の風潮が、夫婦や家族の形成の大切さより個人の意思と自由の尊重に過度に傾斜して、従前からのバランスを失ったことが大きい。今年は明治二十三年に教育勅語が渙発されてから百三十年の節目の年でもある。さうしたバランスの恢復には拠り所が必要であるが、教育勅語は今読み直しても、その有意義な一つになり得るといへよう。斯界を挙げた取組みが期待される。
令和二年一月十三日

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