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有働智奘著『はじめて学ぶ仏教 インド・中国編』 神道関係も視野に 難解な概念を解説 小平美香

令和2年07月20日付 6面

 本書は、その書名からもわかるやうに仏教の入門書である。筆者は同じ南都の法相宗大本山である薬師寺で奉仕されてゐた経歴をもつ。「薬師寺」といへば修学旅行での魅力ある法話は多くの人の記憶に残るところであらう。
 筆者は伽藍担当としてまさにこの法話を担当されてゐたといふ。仏教入門書は数々あるが、本書の特徴の一つは、イラストや写真を贅沢に用ゐ、難解な仏教の用語や概念をまるで法話の如く、語りかけるかのやうに優しい言葉を選びながら解き明かしてゐることである。
 筆者は現在、國學院大學で神道と共に仏教を教授されてをり、その講義は「神道と比較しながら仏教をわかりやすく教へて下さる授業」として神道を学ぶ学生たちにたいへんな人気である。

 あとがきには「次は続編として、中国から朝鮮、そして、わが国の神道的要素を融合した独自の『日本仏教』について執筆を試みたい」とある。『今昔物語集』のごとく天竺・震旦部に続く本朝部の続編刊行もまた、待たれるところである。
〈本体1800円、新典社刊。ブックス鎮守の杜取扱書籍〉
(國學院大學研究開発推進機構共同研究員・小平美香)
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