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論説 コロナ禍の青葉会議 より有意義な会議のために

令和3年06月07日付 2面

 神社本庁の五月定例評議員会を中心とする斯界恒例の青葉会議の時節が過ぎ、六月を迎へた。
 ただ今年は新型コロナウイルス感染症の影響により神社本庁の設立七十五周年記念大会が延期となったのをはじめ、各種会合が中止となったり、開催方法が変更となったりしてをり、例へば全国神社総代会の役員会・代議員会は書面会議となったことから最終的な表決の取り纏めなどは今月中旬にまでずれ込む見通しだ。
 定例評議員会はウェブ会議システムを併用した常任委員会として五月二十七日午後に半日の日程で開催され、令和三年度の一般会計歳入歳出予算案などを審議。各地区からの提出議案の取扱ひについては、十月定例評議員会に持ち越されることとなった。
 このほか最終日にはウェブ併用での神社庁長会ののち、班幣式も執りおこなはれたが、それぞれ本庁庁舎での参加者、神殿での参列者はわづかで、例年とは大きく雰囲気の異なる青葉会議となった。

 今回の常任委員会では、令和三年度の一般会計歳入歳出予算案をはじめ、令和二年度の補正予算案、御代替記念事業特別会計の予算案など五議案を決議。このうち次年度予算案においては各神社からの負担金について、新型感染症による斯界への経済的な影響なども考慮の上、昨年に引き続き「負担金賦課徴収に関する特別措置規程」に基づく三割の減免措置が講じられた。
 常任委員会の翌日、政府は緊急事態宣言を発令中の十都道府県のうち九都道府県の、またまん延防止等重点措置を適用中の八県のうち五県の期限を六月二十日まで延長することを決めた。東京五輪まで二カ月を切るなか、その開催による感染状況の悪化を懸念する声が聞かれるなど、先行き不透明な状況が続いてゐる。さうした現状、さらには将来的な不安は斯界においても同様であらう。
 これまでコロナ禍における神社の状況については、各神社庁や神道青年全国協議会でアンケート調査などを実施してゐるが、中・長期的な影響をも見据ゑ、より包括的な実態調査なども必要なのではなからうか。

 このたびの五月定例評議員会にあたり各地区から提出された議案の取扱ひに関しては、直前に開催された役員会で対応を協議。十月定例評議員会において議案審査特別委員会を設置して審査することが決議され、常任委員会でも承認された。
 その提出議案には、憲法改正や英霊顕彰に関はるものなど、これまで継続的に提出され、本庁においても恒常的に取り組んできた内容もある。一方で、現在開催されてゐる「『天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する附帯決議』に関する有識者会議」での議論を踏まへた対策、コロナ禍における教学指針の明示、元神社本庁職員らによる地位確認請求訴訟をめぐる提出議案など、新たに対応が求められるものも含まれる。
 このうち地位確認請求訴訟をめぐっては常任委員会でも控訴に反対する複数の意見が寄せられ、なかには総長の不信任案提出に賛意を求めるやうな発言もあった。提出議案は十月定例評議員会における審査の上で正式な対応が決定することとなるが、本庁執行部においては各地区における問題意識を踏まへ、今後の然るべき処理方針を見据ゑながら、それぞれの対応に向けた検討を進めてほしい。

 コロナ禍のなか、昨年の五月定例評議員会は書面による常任委員会としておこなはれ、十月定例評議員会は京都に会場を移して開催されたものの、会場施設の関係から時間的な制約もあった。評議員はじめ執行部や事務局にとっても、会議の運営において思ふに任せないことの多い状況が続いてゐる。
 新型感染症の早期収束を改めて祈念し、以前のやうに参集しての会議が開けるやうになることを願ふことはもとより、コロナ後の社会状況を見据ゑ、ウェブ会議システムのさらなる活用など、より充実した議論が可能となるやう環境整備について検討しておくことも必要だらう。また会議をより有意義なものとするためには、適切な議事運営はもちろん、事務局からの十分な説明、出席者による正しい理解、それらに基づく丁寧な議論が最低限の要件となることを再確認したい。
令和三年六月七日

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