文字サイズ 大小

生駒孝臣著『楠木正行・正儀』弟に力点を置いた 初の本格的な評伝

令和3年09月06日付 4面

 本書は、楠木正儀に関する初めての本格的評伝である。もちろんその兄である正行の評伝も含むが、本書全体の力点は明らかに正儀の側にあるといって良い。

 本書第一の特徴は、何よりその実証性の高さである。

 さらに第二の特徴として、『太平記』の史料価値の見直しが挙げられる。

 それにしても本書読了後、「忠とは何か」について考へなほさずにはゐられなかった。本書は、正儀が若き日に南朝を見限らうとした過去を以て「南朝に対する『忠』といった観念は存在しない」と評する。

 もとより斯界には異論もあらうが、一読をお薦めしたい一書である。
〈税込3850円、ミネルヴァ書房刊。ブックス鎮守の杜取扱書籍〉
(皇學館大学教授・岡野友彦)
関連書籍
[31500037] 楠木正行・正儀 新刊 おすすめ
円(本体価格 3,500円+税)
生駒 孝臣 / ミネルヴァ書房
詳細

読書 一覧

>>> カテゴリー記事一覧