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【新刊紹介】嵯峨 隆著『頭山満――アジア主義者の実像』頭山とアジア主義 実像に迫る意慾作

令和3年11月15日付 6面

 頭山満については、「右翼の巨頭」であるとか、国粋主義者の印象で語られることが多い。さういった頭山論に疑念を抱いた著者は、関係書籍を読み解き、主張を検証しつつ、客観的に見る必要性を説いてゐる。
 とりわけ頭山のアジア主義に焦点を当ててゐるのは大きな特色である。頭山に関する書籍は少なくないが、意外にもその生涯をアジア主義との関連で論じたものは、葦津珍彦の『大アジア主義と頭山満』があるだけといふ。
 生ひ立ち含め、玄洋社時代の民権主義者としての事績から紐解き、無位無官ながら、時に国政さへも動かすほどの政治力を発揮した国権主義者の生涯を、時代背景を描写しながら丁寧に論じてゐる。

 本書は頭山満とアジア主義の実像に迫らうとする意慾作である。読者は本書に拠って、戦後のアジア主義が如何に歪めて伝へられ、真実と乖離してゐるかを知るであらう。
〈税込924円、筑摩書房刊。ブックス鎮守の杜取扱書籍〉
(宮崎・鵜戸神宮宮司 黒岩昭彦)
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