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鎮守の森の過去・現在・未来~そこが知りたい社叢学~ 生物多様性保全と社叢―南方熊楠が守らうとした森の価値― NPO法人社叢学会理事 元千葉県立中央博物館生態・環境研究部長 原 正利

令和4年06月06日付 4面

 人新世といふ地質時代区分が提案されるほど、地球環境に及ぼす人類活動の負荷が強まり、地球環境が危機的な状況に陥りつつある現在、生物についても多様性の保全が大きな課題となってゐる。本来、日本は豊かな生物相に恵まれた国で、維管束植物に限っても五千六百種あまりが生育し、その約四割が日本にしか見られない日本固有種だとされてゐる。
 しかし、現在では日本に自生する植物のうち、約四種に一種が絶滅の危機に瀕してゐると推定されてゐる。なぜ、これほど多くの植物が絶滅の危機に瀕してゐるのか。その原因として森林の伐採や生息地の破壊・改変、園芸目的の採取、雑木林や草地の管理放棄に伴ふ遷移の進行、気候の温暖化など、さまざまな人為的影響が指摘されてゐる。

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