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論説 全国氏青協 強みを活かした活動に期待

令和4年07月11日付 2面

 今号掲載の通り、「おいでやす京都~目指そう 和の心 平安の世界を!~」を主題とする全国氏子青年協議会(=全国氏青協)の第六十回定期大会・総会が七月二日に京都で開催された。
 一昨年来の新型コロナウイルス感染症の蔓延にともなひ、これまで全国氏青協では二年連続で大会を中止するとともに総会を書面決議で開催してをり、全国の会員が一堂に会しての大会・総会は三年ぶりである。総会では令和三年度の事業報告・決算や令和四年度の事業計画案・予算案などが審議され、大会では表彰式、指定氏子青年会への指定証授与などがおこなはれた。
 各地より集まった会員たちが、単位会ごとに揃ひの法被を羽織って大会・総会に参加する姿からは、奉仕神社への尊崇を背景としたそれぞれの誇りが感じられる。さうした神明奉仕への思ひを同じくする各地の会員同士の交流は、日々の活動においても互ひに良い刺戟とならう。全国の氏子青年が三年ぶりに集ふ機会となった今回の大会・総会の開催をまづは喜びたい。

 全国氏青協は昭和三十八年に創立され、全国氏子青年の結集を図り、民族の伝統精神に基づいて、美しい日本の建設に努め、国家の発展と、世界の繁栄と平和に寄与することを目的としてゐる。来年には創立六十周年の節目を控へてをり、すでに都内での周年大会の開催も決定してゐるといふ。その創立当初の先人の思ひは、「和の心」と「平安の世界」を目指さうといふ今大会の主題にも受け継がれてゐるといへよう。
 昨今、少子高齢化や過疎化の進展により総代の後継者不足なども課題となるなか、次代の総代を育成する意味でも、全国氏青協の存在・活動の意義はこれまで以上に増してゐるといへさうだ。ただ、さうした社会環境の変化の影響は全国氏青協にも及んでゐるやうで、もちろん個別の理由・事情はそれぞれにあるのだらうが、近年は休会・退会を余儀なくされる単位会も少なくない。総会で審議された事業計画案においても、「地域の青年の減少や神社離れにより、氏青会員も減少傾向にあり、場合によっては単位会の存続も危ぶまれる状況が発生している」との認識のもと、組織拡充に向けた活動展開の必要性などが挙げられてゐる。このほか財政基盤の強化などかねてからの課題もあるが、次代を担ふ総代の育成に繋がる全国氏青協の活動の活性化は、さう遠くない斯界の将来にも深く関はることを常に意識しておきたい。

 コロナ禍により、全国氏青協では大会・総会の中止や開催形態の変更だけでなく、さまざまな活動が影響を受けてきた。例へば靖國神社で開催を予定してゐた「全国鎮守の森こども相撲大会」は延期となり、神宮新穀奉納行事は参列者の制限や懇親会・直会の中止などを余儀なくされてきた。さうしたなかで、コロナ後のあり方を考へるべく「アフターコロナ部会」として「IT活用部会」「次世代の氏活部会」「継続事業部会」の三部会を発足させ、ウェブ会議システムを活用しながらさまざまな議論を重ねてきたといふ。
 一方でコロナ禍前を振り返れば、各地で自然災害が相次ぐなか、さまざまな職種の会員で構成されてゐるといふ組織的な強みを存分に発揮し、被災地の復興支援などでも存在感を示してゐた。コロナ後のあり方については斯界全体にとっての課題であり、神社界の外からのさまざまな視点も併せ持つ全国氏青協の議論を、ぜひ今後の斯界のために活かしてほしいものである。

 これからの時期は、全国氏青協を含めた神社本庁の指定団体をはじめ関係団体などにおいても、全国規模の大会や研修会が相次いで開催される。先日来、新規感染者数が増加に転じたとの報道も見られるため引き続き状況の注視は必要だが、これまで中止や規模縮小などを余儀なくされてきた大会や研修会が、三年ぶりに比較的従来に近い形で開催される予定のやうだ。
 コロナ禍の経験にともなふ社会の急速な変化が指摘されるなか、指定団体や関係団体においても、さうした社会状況を踏まへつつ今後の活動を見直すやうなことも求められよう。大会や研修会の再開の動きが見られる今、それぞれの立場でコロナ後を見据ゑた活動や斯界のあり方について検討を重ねることで、神社界の叡智を結集して向後の社会変化に臨んでいきたい。
令和四年七月十一日

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