【新刊紹介】「中朝事実」―日本建国の物語― 山鹿素行原著・秋山智子編訳
令和6年08月19日付
6面
乃木大将も仰いだ教へ 現代語訳で易しく学ぶ 近世には多くの儒者が現れた。彼らは儒学の聖人を仰ぎ、人として正しい生き方を求めたが、漢土を尊崇する余り、日本人としての生き方を見失ふ者も少なくなかった。かやうな思潮と対峙し、日本固有の精神と国体とを明らかにすべく、山鹿素行は『中朝事実』を著した。この名著を分かりやすく現代語訳した一冊が本書である。
素行の文章はもとより、彼の依拠する『日本書紀』なども訳出されてをり、通読すれば「神道という宗教文化、日本の心」も易しく学べよう。本書によって青年をはじめ、多くの人々に先哲・山鹿素行の教へが広まることを期待したい。
〈税込3080円、錦正社。ブックス鎮守の杜取扱書籍〉
(金沢工業大学助教・大貫大樹)
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