【新刊紹介】戦後日本教育史 「脱国家」化する公教育 貝塚茂樹著
令和6年09月30日付
6面
戦後80年の教育史 将来の展望に最適 日本の未来を考へるには、これまでの教育の歩みを実証的かつ批判的にふり返り、その反省のもとに今後の舵取りを考へる必要があるだらう。その点において本書は、戦後教育史八十年を俯瞰するに最適の書である。
著者の貝塚茂樹氏は、国立教育政策研究所主任研究官などを歴任して、現在は武蔵野大学で教鞭を執られてゐる。主著『戦後教育改革と道徳教育問題』の刊行以後、占領期の教育改革および道徳教育の研究分野の第一線で活躍されてきた。本書は、わが国の教育学研究に造詣が深い貝塚氏によって編まれた戦後教育通史である。
本書は一般向けの新書ではあるが、濃密な内容で盛りだくさんである。現代の教育課題を把握し、将来を展望するに相応しいため、多くの方に読んでいただけることを期待したい。
〈税込1210円、育鵬社・扶桑社刊。ブックス鎮守の杜取扱書籍〉
(皇學館大学教育学部准教授・井上兼一)
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