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基本方針を受けて会合開き意見交換 時の流れ研究会

平成30年04月09日付 1面

 「時の流れ研究会」(会長=高山亨神社新報社社長)の相談役・運営委員等合同会議が三月三十日に神社本庁会議室で開催され、当日午前に開かれた「天皇陛下の御退位及び皇太子殿下の御即位に伴う式典準備委員会」で決定された「天皇陛下の御退位及び皇太子殿下の御即位に伴う式典の挙行に係る基本方針」について意見を交はした。
 会議は午後二時に始まり、「天皇陛下の御退位及び皇太子殿下の御即位に伴う式典の挙行に係る基本方針」の内容を踏まへ、御譲位と御即位に関はる祭祀をはじめ、儀式・式典などについて意見を交換。同会のこれまでの見解・要望のうち、「天皇陛下御在位三十年記念式典」や「立皇嗣の礼」が挙行されることを評価する一方、御譲位(「退位礼正殿の儀」)と御即位(「剣璽等承継の儀」)が別日となったことは残念であるとの意見が聞かれた。
 具体的な課題としては、「即位後朝見の儀」における剣璽御動座の復活の必要性などを指摘。また祭祀については、とくに御譲位に関はる望ましい祭祀を斎行していただくことが肝要であるとの意見で一致した。
 さらに新元号の決定と公表について、慎重な対応が必要となることも議論。このほか平成の御代替りに際して政府と宮内庁それぞれに委員会が設けられたやうに、両者の連携のもと皇室の伝統を踏まへ諸祭祀・儀式が執りおこなはれるやう期待するとの意見もあった。
 最後に高山会長が、「基本方針は評価できる一方、残された問題点もある。最大の関心事である祭祀については然るべく準備が進められてゐるものと思ふが、現行憲法下で執りおこなはれた平成の御代替りの諸儀式を基盤とし、より皇室の伝統が堅持されることを期待したい。私たちも本日の議論を参考にしつつ、その他の残る課題を含め引き続き研究を重ねていきたい」と述べて会議を締め括った。