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熊本で神職大会 御譲位の講演も 熊本県神社庁

平成30年07月30日付 10面

 【熊本】県神社庁(宮﨑國忠庁長)は六月二十一日、熊本市中央区のKKRホテル熊本で神職大会を開催し、県内神職ら約百二十人が参集した。
 大会は午後一時に始まり、開会儀礼ののち宮﨑庁長が挨拶。次に神社本庁定例表彰を受けた功績顕著な神職への感謝状ならびに記念品贈呈がおこなはれ、来賓代表が祝辞を述べた。
 その後、五月に開催された神社本庁定例評議員会での審議内容や神道政治連盟の活動状況、県内教化事業の現況についてそれぞれの担当者が報告。続く記念講演では、「天皇陛下の御譲位について 宮川宗徳先生について」と題して神社新報社取締役総務部長の前田孝和氏が講演した。
 前田氏は、政府による「天皇陛下の御退位及び皇太子殿下の御即位に伴う式典準備委員会」の設置にあたり、同社の「時の流れ研究会」が発表した祭典・儀式に関する要望や、「皇室典範特例法」に関する神社本庁の基本的姿勢などを確認。御代替りに伴ふ諸儀式等の次第・期日について想定される案や、実現を望ましいとしてゐる祭祀などについて解説した。
 また、同県出身で神社本庁の初代事務総長や同社社長を務めた宮川宗徳の来歴等を説明。「奉仕する神職の宗教的素養と識見を培っていかない限り、神社そのものの宗教的権威を保持していくことは困難である」「今後のことは全部青年神職に考へてもらひ実行してもらひたいことばかりだ」等の宮川の言葉を紹介し、現在にも通じる課題が多いと指摘した。
 さらに、神社界の民主化のため宮司の進退に関する規程を改正し、氏子総代の発言権を増大させたことなどを解説した。
(小森広太通信員)