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【読書】 【新刊紹介】伝承と往来――地域文化を掘る 阪井芳貴編   - 令和7年04月14日
重厚な内容簡潔に 広範な分野を照射  本書は編者が令和六年三月で名古屋市立大学を退任することを契機として編纂されたもので、「地域文化」を共通項とした十二篇の論文等を収める。編者が長年研究テーマとしてきた沖縄学をはじめ、広範囲の分野が照射されるが、新たな「日本文化論」を形作り、深化させるアプローチ論としての可能性を祕めた知見が散りばめられた一冊である。  本書に掲載されてゐる各論は、内容の重厚さに比して簡潔に纏められてをり、これまで深く学ぶ機会がなかった論も見つけられるなど、手に取りやすいといふ点も見逃せない。ぜひ一読をお勧めしたい。 〈税込3960円、あるむ刊。ブックス鎮守の杜取扱書籍〉(H・K)

【読書】 【新刊紹介】天岩戸 太陽のサクレ 広田勇介著   - 令和7年04月14日
霊山の尊厳理解した者に 与へられたミッションは  「天野和明」、明治大学山岳部出身で登山界のアカデミー賞と呼ばれるフランスのピオレドール賞を初めて日本人で受賞した、全身登山家。「林智加子」、爆薬を使用して雪崩を管理するリスクマネジメントの権威、登山ガイド。「竹内洋岳」、令和七年現在、日本人唯一の世界八千メートル峰十四座を完登した生粋の山男。そして本書の著者、「広田勇介」は日本を代表する山岳写真家。この四人は、登山に親しむ者であれば誰もが知ってゐる、日本の登山界に名を刻む代表的な岳人である。  本書は、吹雪にも負けぬ強靭な精神と未踏の地に挑む不屈の魂をもつ百戦錬磨の登山家である彼らが、一見すると無縁に思はれる神話以来の禁足地、天岩戸神社の御神体である天岩戸洞窟を、史上初めて踏査した記録である。  読後、やっぱり山に登りたい、と思はせる一冊である。 〈税込2420円、明成社刊。ブックス鎮守の杜取扱書籍〉 (全国教育関係神職協議会理事、群馬県山岳連盟指導委員 山田精一)

【オピニオン】 杜に想ふ   - 令和7年04月14日
 今年は「昭和」といふ元号が誕生してから百年目となる。一世紀といふ時の重みが、静かに私たちに語りかけてゐるのを感じてゐる。  そんな節目である令和七年昭和の日の四月二十九日、私事でたいへん恐縮ながら、夕方から昭和百年奉祝記念涼恵コンサートを代々木上原の古賀政男音楽博物館けやきホールにて開催させていただくこととなった。もしも読者のなかに御都合の良い方がいらっしゃり、会場まで足を運んでいただき、ともにこの記念すべき昭和百年をお祝ひすることができたなら、とても素敵なことと思ふ。  「昭和」といふ元号は五経の一つ「書経」のなかにある「百姓昭明にして、萬邦を協和す」を典拠とし、「昭にして和」といふ願ひがこめられてゐるともいふ。皆様は昭和を想ふとき、どんな景色が浮かぶだらうか。  例へばそれは、戦争、復興、そして高度経済成長と、目まぐるしく変はる時代のなかで、人々が生き抜くために懸命に祈り続けた時代だったとも言へるのではないだらうか。  今、昭和レトロが再び注目を集め、シティポップや昭和歌謡、アナログレコードが世界中で愛されてゐる。再評価されてゐる理由の一つに、便利さや効率だけでは測れない心をこめた営みがあると言はれてゐる。  昭和といふ時代、とくに戦後から高度経済成長期にかけての日本は、歌謡曲を通して多くの国民に勇気と希望を届けてゐた印象が強い。歌と生活が今よりずっと近い距離だったやうに感じる。誰もが気軽に口ずさめる親しみやすさ。昭和の歌謡曲には、夢や癒しや慰め、そして時には平和への祈りがこめられ、メロディーとして楽しむだけでなく、その時代を生きた人々の心の支へとなってゐたのだらう。  再評価の影には、単なる懐古ではなく「失ひたくないもの」への願ひがあるやうにも思ふ。昭和といふ時代が持ってゐた人と人とのあたたかさや一手間こそ、令和の今を生きる私たちが改めて求めてゐるものなのかもしれない。  戦争を乗り越え、復興のために力を尽くした人々が歌にこめたのは、希望と平和を求める声であり、昭和の歌は祈りそのものだと感じる作品が多い。移ろひながらも、変はらない祈りがあることを知る。そして祖父母が手を合はせた神社をこの先も守り続けてゆきたいと強く思ふ。  昭和天皇の御製は、何度読んでも涙が溢れ情景が浮かんでくる。  ふりつもるみ雪にたへていろかへぬ松ぞををしき人もかくあれ  奉祝公演の準備を進めるほどに、つくづく昭和の激動のなかにある強さと美しさを感じてゐる。同日午前中には、全国の神社で昭和祭を御奉仕する神職の方々も多くいらっしゃるだらうと心強い。祈りと歌には、それぞれ時を超えて響く力があると信じてゐる。 (歌手、兵庫・小野八幡神社権禰宜)

【各地の話題】 広島東洋カープが 神前で必勝を祈願 広島護國神社   写真有
 【広島】プロ野球開幕前日の三月二十七日、広島市中区の広島護國神社(藤本武則宮司)で広島東洋カープの選手ら四十四人が必勝を祈願した。

【各地の話題】 厳かに牛神楽祭を 牛への感謝を捧げ 日吉大社   写真有
 【滋賀】大津市の日吉大社(森真吾宮司)は、神体山である八王子山(牛尾山)の山頂(標高三百八十一㍍)に鎮座する牛尾宮と殿内社・牛御子社で、三月十五日に牛神楽祭を斎行した。  この祭りでは、古くは農耕や運搬で重要な役割を果たし、現在も食料や肥料で身近な存在となってゐる牛に感謝を捧げ、牛に関はる産業の発展を祈る。

【各地の話題】 春の火災予防運動 初めて訓練会場に 高山千義神社   写真有
 【岡山】井原市の高山千義神社(岡本綾子宮司)で三月二日、地元消防団・市消防団県主分団による消防訓練がおこなはれた。  この訓練は、三月一日から七日にかけて全国一斉におこなはれる「春の全国火災予防運動」にあはせて毎年おこなはれてゐるもの。今年は同神社が初めて実施会場に選ばれた。

【人事】 【帰幽】松岡 美昭氏   - 令和7年04月14日
 松岡 美昭氏(まつをかよしあき、島根県雲南市木次町木次七八二、來次神社名誉宮司、二級上)二月十一日帰幽、享年九十四。

【人事】 【帰幽】石原 朝登氏   - 令和7年04月14日
 石原 朝登氏(いしはらあさのり、島根県雲南市大東町山王寺七一七、山地神社宮司、二級上)三月一日帰幽、享年九十一。

【人事】 【帰幽】小嶋 健男氏   - 令和7年04月14日
 小嶋 健男氏(をしまたけを、石川県小松市串町ヲ九五、串八幡神社宮司、二級上)三月二十四日帰幽、享年九十四。

【人事】 本庁辞令(三月三十一日)   - 令和7年04月14日
 二荒山神社権宮司 毛利正彦 願に依り本職を免ずる (三月三十一日付)

【記事】 國大・皇大で卒業式 社会・斯界で活躍を   - 令和7年04月14日 写真有
 東京・渋谷区の國學院大學(針本正行学長)は三月二十三日に、三重・伊勢市の皇學館大学(河野訓学長)は三月十八日にそれぞれ卒業式を挙行した。今年は國大の神道文化学部神道文化学科で百九十二人が卒業し、神道学専攻科で十八人、別科神道専修で五人が修了。皇大では文学部神道学科で六十六人が卒業し、神道学専攻科で十人が修了した。

【オピニオン】 論説   - 令和7年04月14日
 内閣府は三月三十一日、南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループによる新たな被害想定などを含んだ報告書を公表した。  防災基本計画の作成や防災に関する重要事項の審議等をおこなふ中央防災会議、その専門調査会である防災対策実行会議の下に設置された同グループ。平成二十六年三月の「南海トラフ地震防災対策推進基本計画」の策定から十年が経過することを踏まへ、基本計画の見直しに向けた防災対策の進捗状況の確認や新たな防災対策の検討を目的に、令和五年四月から先月末まで二十九回に亙って会議を重ねてきた。  まづは報告書の被害想定・防災対策などを参考に、奉仕神社・氏子地域の現状や課題などを再確認したい。 ○  報告書では南海トラフ巨大地震により、震度六弱以上または津波高三㍍以上となる市町村は三十一都府県の七百六十四市町村に及び、その面積は全国の約三割、人口は全国の約五割を占めるなど影響は超広域に亙ると想定。また従前の基本計画と比べると、死者数は二十一万九千人から三十三万二千人だったのが十七万七千人から二十九万八千人に、全壊焼失棟数は二百五十万四千棟から二百三十五万棟にそれぞれ減少してゐる一方、停電軒数、情報通信の不通回線数、避難者数などは増加してゐる。  さうした状況について報告書では、被害の甚大さや広域性を踏まへると従来の行政主体による対策だけでは限界があり、またこれまで防災に関はってきた特定の主体による取組みだけでは到底太刀打ちできないことを指摘。「国民・事業者・地域・行政でともに災害に立ち向かい、地域社会全体で地域の安全を獲得していくことが必要」と強調してゐる。最後に、被害想定の大小や増減だけに焦点を当てたり、一喜一憂したりすることなく、着実に対策を実施すべきことが付言されてゐるやうに、まづは冷静に被害想定を受け止めつつ、「地域社会全体で地域の安全を獲得していく」ためにそれぞれができることを考へたいものである。 ○  今年は年頭に阪神・淡路大震災から三十年の節目を迎へ、また熊本地震からは来年で十年となる。この間、地震に限らず風水害なども各地で発生し、自然災害からの復旧・復興、平素からの対策が大きな課題となってゐる。  本紙前号には福島県神社庁の丹治正博庁長による投稿が掲載され、東日本大震災から十四年を経た「福島の現在地」が紹介されてゐたが、原発事故の特殊性を改めて認識させるものだった。また、発生から一年三カ月が経過した能登半島地震の被災地では、被災住宅の修繕や仮設住宅への入居が進んだことによる避難所の閉鎖など、復旧・復興に向けた動きも報じられてゐる。しかしながら、少子高齢化の進む過疎地といふ状況もあり、今後の具体的な生活再建の道のりが決して平坦でないことは容易に想像できよう。  をりしも神社本庁では、「原子力災害に係る神社支援基金」の有効活用や全国で自然災害が多発する現状などへの対応として、同基金の「神社復興支援基金」への統合を検討してゐるといふ。福島や能登に限らず、それこそ南海トラフ巨大地震をはじめ、今後も想定される自然災害を見据ゑ、さらなる支援体制の充実が図られることを期待したい。 ○  近年は災害対策、また被害を軽減させる減災の対策として、一人一人が自ら取り組む「自助」、地域や身近な人同士が共に取り組む「共助」、国や地方自治体などが取り組む「公助」の円滑な連携が重要視されてゐる。このうち「共助」の基盤・前提となるのが地域社会における構成員の紐帯であり、かねて、その強化を担ってきたのが神社における祭礼行事等だったのではなからうか。  さうした神社においても昨今は、都市部での人間関係の稀薄化や、地方での少子高齢化・過疎化の影響等による氏子意識の低下、神社振興と地域活性化、不活動神社の解消などが課題となってゐる。もちろん、それぞれ個別の施策・対応が必要となるが、災害対策としての「共助」において重要な地域社会の紐帯強化は、そのやうな課題のいづれとも深く関はるものであらう。災害対策を一つの手掛かりとし、地域社会におけるさまざまな課題との相互の関係性のなかで、今後の対応を講じていきたいものである。 令和七年四月十四日

【記事】 神武天皇祭を御親祭 黄櫨染御袍召され出御   - 令和7年04月14日
 第一代・神武天皇の崩御日にあたる四月三日、宮中三殿の皇霊殿と奈良県橿原市の畝傍山東北陵(神武天皇山陵)とで神武天皇祭が斎行された。

【記事】 終戦80年 両陛下 硫黄島へ行幸啓 戦歿者慰霊碑に御拝礼   - 令和7年04月14日
 天皇・皇后両陛下には、四月七日、御視察のため東京・小笠原村の硫黄島へ行幸啓になられ、慰霊碑に御拝礼遊ばされて御霊を慰められた。

【各地の話題】 伏見稲荷大社 第二鳥居の耐震補強・塗替完了   写真有
 【京都】全国にある稲荷神社の総本宮である京都市伏見区の伏見稲荷大社(舟橋雅美宮司)では、これまでに地震など災害が発生した際には、その都度安全性を検討し、さまざまな対応を重ねてきてゐる。今回は、楼門前に建つ表参道第二鳥居の耐震補強及び塗替工事を実施。このたび完了し、三月二十三日には竣功祭を斎行した。

【オピニオン】 杜に想ふ   - 令和7年04月21日
 近頃、あらためて「家紋」を意識するやうになった。大地に根差し、繁茂・蕃殖力が強い植物が家紋として用ゐられることが多いと聞いたことがあるが、わが家の定紋は「丸に花菱」。  若い頃、産土神社の祭礼で紋付羽織袴を着る大切なお役目を奉仕する機会があったが、祭りの美酒に酔っ払ひ、曽祖父の羽織を着たまま神輿を担いで肩の部分を破ったことがあった。酔ひが醒めたころ、母は苦笑しながら、すぐに繕ってくれてゐて、「紋付は脱いだら下には置いておかないもの」と教へ諭されたのも思ひ出である。  さて、能登半島地震で大破して、全壊認定を受けたわが家の土蔵。隣家へと傾いた姿は見た目にもなかに入るのが恐ろしく、入口の土戸が崩れて倒れたことから先祖代々の什器一切の取り出しは諦めてゐた。「可能ならば」との前置きをして、「蔵に入れたなら、何を取り出したいか」と母に訊くと、「嫁入り道具で持たせてもらった重箱と、御坊さんが敷く金襴の座布団だけでよい」と即答された。その重箱は輪島塗の黒い五段重で、母の実家の家紋「丸に蔦」が沈金の技法であしらはれ、収める外箱も朱漆塗りで手提げ金具が付けられたもの。朧気ながらも、遙か三十年以上前に内祝ひのお返しにと赤飯を詰めて伯母宅へ持参した折に使った記憶があり、その後、実用した記憶はとくにない。それでも、ボランティアの方々の協力もあって、やうやく土蔵に入ることができ、件の重箱を真っ先に取り出して母に手渡した時は実に嬉しさうな顔をしてゐた。  その後、土蔵の倒壊を防ぐための筋交ひとボランティアの皆様方のお蔭で、諦めてゐた道具類の一切を取り出すことができた。  古い桐箪笥からは定紋の裃とは別に、替紋「丸に唐花」の肩衣や、曽祖母や祖母が着てきた色鮮やかな花嫁衣装もそれぞれ出てきて驚いた。さらに驚いたことには、祖母の実家の家紋もたまたま「丸に蔦」なのだが、花嫁衣裳にはなぜか「雪輪に蔦」の紋が染め抜かれてをり、親戚たちにも訊いたが、往時のことで理由はまったく不明。おそらく、祖母の美雪が大正三年の生まれで、当時としてはかなりハイカラな名前であったことから、高祖父母から嫁ぐ娘へと名前に因んだシャレた贐だったのではないだらうかと思ってゐる。  その時にわが家の座敷でおこなはれた祝言でも使はれたであらう輪島塗の御膳一式も震災で置き場がなくなった。母曰く、「私が嫁ぐ前からだから、五十年以上一回も使ったことがない品々」なのだが、日頃お世話になってゐる神社の宮司さんに縁あって引き取っていただいたことはありがたかった。  後日、宮司さんより御膳や椀をすべて洗って拭いたので、仕舞ふ前に見にきたらと電話をいただいた。綺麗に洗はれて艶やかな輝きを戻した黒塗り椀の蓋には、緑の色漆で早蕨が描かれてゐたのを初めて目にした。早蕨の絵に事寄せられた先祖からのメッセージを感じる春となった。 (まちづくりアドバイザー)

【各地の話題】 結成50周年記念で 大美和青年会が大会 大神神社   写真有
 【奈良】桜井市の大神神社(井上卓朗宮司)で三月九日、同神社の氏子青年会である大美和青年会(角田憲司会長)の結成五十周年記念大会が開催された。  同会は五十周年を令和二年に迎へたものの、疫禍により記念大会を長い期間延期。  五十五周年を迎へた今年に開催することとなった。

【読書】 【読書】岸和田だんじり図典――祭を支える心と技 森田 玲編著・平田雅路写真   - 令和7年04月21日
モノと祭礼の再発見 手掛かりとなる一冊  本書は、大阪府岸和田市土生瀧町の地車の新調記念誌であるが、その域を超えて、豊富な写真や図表で岸和田の地車に関はる魅力のすべてを伝へようとする意慾的な本である。  車を曳く地車は、平地の都市部で可能な祭礼の形である。本書を手がかりとして、神社に纏はるモノや祭礼を再発見する機会にしてはいかがだらうか。 〈本体3960円、だんじり彫刻研究会刊。ブックス鎮守の杜取扱書籍〉 (広島・河内神社禰宜、福井大学大学院工学研究科専任講師 山田岳晴)

【記事】 「安定的皇位継承」で国民大会 今国会での法制化に意慾示す   - 令和7年04月21日 写真有
 「安定的皇位継承の法制化を求める国民大会」が、四月七日に東京・千代田区の衆議院第一議員会館で開催され、国会議員約九十人(代理含む)など約五百人が出席した。  大会は「皇室の伝統を守る国民の会」(山東昭子会長)が主催し、日本会議国会議員懇談会(古屋圭司会長)が共催。皇族数の確保に向けて取纏めが検討されてゐる「立法府の総意」について、国会での合意形成に向けた関係者の努力を後押ししようと開かれた。

【各地の話題】 クラブ活動で神楽継承 那須神社   写真有
 【栃木】大田原市の那須神社(津田宏宮司)で三月九日、春の例祭にあはせて地元の小学生が同神社神楽保存会(成沢清吉会長)の会員らとともに「永代太々神楽」を奉納した。


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