都市をつくる風景 ――「場所」と「身体」をつなぐもの〈新版〉 中村良夫著
令和8年04月20日付
6面
まちづくりへの提言 日本型都市を考へる 風景を手がかりに日本型の都市を論じ、これからのまちづくりを提言した書籍である。著者は長年、景観工学の研究と教育に従事する傍らで、市民学としての風景学を提唱してきた。初版は平成二十二年で、景観法が施行された後に発刊されてゐる。それから十五年。環境問題は深刻化し、平成二十三年の東日本大震災や令和二年からのコロナ禍を経て、近年では自分たちが暮らす地域に改めて目を向けるまちづくりの裾野が広がってゐる。本書の議論は今なほ色褪せてをらず、その重要性はむしろ高まってゐる。
観光客の絶えない神社ではなく、生活のなかにある身近な神社について、著者のまちづくりのアイデアを掲載してゐる。神社関係者にもぜひ手にとっていただきたい一冊である。
〈税込2540円、藤原書店刊。ブックス鎮守の杜取扱書籍〉
(東京都市大学環境学部准教授・後藤智香子)
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