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【新刊紹介】次世代創造に挑む宗教青年 ―地域振興と信仰継承をめぐって― 川又俊則・郭 育仁編

令和6年05月06日付 6面

「教化」掲げた 萌芽的な研究

 本書は、『岐路に立つ仏教寺院』(法藏館、令和元年)や『人口減少社会と寺院』(法藏館、平成二十八年)など現代社会の諸課題を背景に仏教寺院が地域や檀家・門徒へ果たす役割を考察してきた川又俊則(宗教社会学)と、文化政策学や観光学を専門とする郭育仁を編者とする。副題に掲げられた「地域振興と信仰継承」の積極的な接続は、両編者の専門性が重なったことによって生み出された視点といへよう。

 本紙読者の関心を引くのは、本書が上記の主体として各宗教青年や組織に注目し、それぞれの事例をつなげる概念に「教化」を用ゐて論じてゐることだ。

 「『教化』の形を見つめ直すことがますます、現代に求められる」(十五頁)ことへの気づきをあらためて創造させる良書である。
〈税込2970円、ナカニシヤ出版刊。ブックス鎮守の杜取扱書籍〉
(皇學館大学文学部教授・板井正斉)
関連書籍
[32770005] 次世代創造に挑む宗教青年 地域振興と信仰継承をめぐって
円(本体価格 2,700円+税)
編:川又 俊則、郭 育仁 / ナカニシヤ出版
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