杜に想ふ
挑戦の精神 山谷えり子
令和8年03月02日付
5面
弥生、三月。草木がいよいよ生ひ茂るからいやおひ“弥生”と呼ぶと教はったことを思ひ出しながら、ひな祭りの草餅をいただいた。
「雪みちを雛箱かつぎ母の来る」(室生犀星)
私の場合は、祖父が戦後間もない北陸の雪みちを雛箱届けにきてくれたことを思ひ出しながら、雛納めの日はいつも切ない気持ちになる。
今、国会は緊張感とスピード感をもって動き出した。総選挙で高市内閣に歴史的大勝をいただいた責任は重く、「日本列島を、強く豊かに」のお約束を胸に審議を進めてゐる。高市総裁が選挙の演説でたびたび語られたのが希望といふ言葉。「立ち止まってゐる政治では希望は生まれない。多くの人を動かし、未来をつくるのは希望」「挑戦しない国に未来はない」といふ信念と決意に多くの人が共感してくださったといふ結果は、それだけ国際社会の難しさと国の危機を強く感じ、未来を切り拓く必要性を感じてゐるからであらう。
成長投資と危機管理投資に向け、日本の勝ち筋になるであらう人工知能(AI)や半導体、造船、バイオ、先端医療、国土強靱化など十七分野を列挙し、具体的な投資のための戦略的設計図が昨年末から起動し始めたところである。日本社会に明るく強い未来をもたらすには国民が参加する社会変革ともいふやうな動きが欠かせない。「建国記念の日」にあたり総理は明治維新、戦後復興など国難を乗り越えた社会変革を振り返り、先人の努力に感謝された。確かに日本は明治維新で多くの制度改革と技術革新をおこなひ、官民による資本投下、先端技術の導入、生産性の向上を成しとげ、国民の社会参加のエネルギーを大きくしていった。北里柴三郎、野口英世ら医療、健康面で世界を救った先駆者もいらした。
大東亜戦争敗戦から戦後復興期も人々はすさまじく前に進むしかなく、ソニー、ホンダ、トヨタ、松下電器など個性的な経営者のかかげる灯とともに、国民はチャレンジ精神をもって働いた。
そして令和の時代、高市総裁は「不安を希望に変へる。だから私は必死、真剣……そしてそのために今取り組まなきゃ間に合はん。今やらんで、いつやるんよ」などと社会変革の必要性と、国民一丸となって暮らしと命を守り国柄を継いでいかうと呼びかけられた。危機意識のなかで人々の心は動き、熱の伝播となったかと思ふ。
国内外の課題は山積みで、国家安全保障や経済安全保障、食料安全保障などの確立を人々が要請する時代となった。鋭い時代認識は大きなエネルギーとなる。明るい未来のためには確かな政策とそれを実現させる協力体制づくりがゐる。重い責任とともに、わが国の歩みを振り返りながら日本人なら必ずやり抜けるといふ希望も感じてゐる。誠実、勤勉、チャレンジ精神あふれる国民性は頼もしい。
(参議院議員、神道政治連盟国会議員懇談会副幹事長)
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