【新刊紹介】森の怪しみ 九里文子著
令和8年09月07日付
6面
越中に鎮座する鹿嶋神社 旧「神度杜」の四季の営み 本書『森の怪しみ』の著者・九里文子氏は富山・鹿嶋神社および兼務社二十二社の宮司を平成十年より務める。本書は由緒ゆかしき神域の杜の樹相、幼少より愛でてきた木々への目配り、季節を彩る花々やその遷移変貌、海と山との豊かな幸、母上直伝の料理の工夫から自然への気遣ひ、指定文化財「稚児舞」の芸能神事、さらには幼くして神職を継ぎし父上の日常の佇まひや祖先の営み、地域の伝承に至るまで、四季の折々の風物に託して、繊細にまた情緒豊かに説き明かす。廣川通久氏の写真が捉へた自然の表情、西田秀幸氏提供の海中の生態が、本文に原色の彩りを添へ、善田優子氏装画「蒼潤」が豊かな樹叢へと読者を誘ふ。地方小出版ならではの桂書房の入念な本作りも際立つ、入魂の一冊である。
〈税込2200円、桂書房刊。ブックス鎮守の杜取扱書籍〉
(国際日本文化研究センター・総合研究大学院大学名誉教授 稲賀繁美)
◎
関連書籍
[36890001]
森の怪しみ
円(本体価格 2,000円+税)
九里文子 / 桂書房
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