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【新刊紹介】七福神、大集合! ――江戸の信仰と文化 鈴木健一編

令和7年11月10日付 6面

近世文学研究の観点で 変容・信仰を明らかに

 本書は、日本近世文学の研究者たちが近世文学の観点から、日本の七福神はどのやうに表象され信仰されたのかを明らかにした論文集である。

 江戸時代、元文三年(一七三八)に神道家・増穂残口らが大己貴尊、事代主命、厳島大明神、天穂日命、高良大明神、鹿島大明神、猿田彦大神を新しい七福神として提唱したことが紹介されてゐるが、今日の神社関係者にとっても注目すべきであらう。大己貴尊は大黒天、事代主命は恵比寿と七福神になじみの神々もゐるが、他の神々が選ばれた理由は『日本書紀神代巻』に登場する神、一宮の神であるからだといふ。
 かうした七福神をめぐる神道家の啓発活動の歴史は現在の神社教化を考へる上でも重要であり、その意味でも必読の書と言へよう。
〈税込3300円、三弥井書店刊。ブックス鎮守の杜取扱書籍〉
(東京・神田神社禰宜 岸川雅範)
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