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【新刊紹介】大地と人の物語―地質学でよみとく日本の伝承 日本地質学会編

令和7年11月03日付 6面

日本の神話や伝承を 地質学的見地で検証

 本書は「地球神話学」の観点から、日本の神話や伝承と地質との関はりについて論じたものである。地球神話学とは「ジオミソロジー(geomythology)」の訳語で、一九六〇年代の欧米で使はれ始めた。キラウエア火山に棲むといふ女神ペレの物語が、ハワイ諸島の形成メカニズムと酷似してゐるやうに、世界各地の神話は実際の自然現象を語ってゐる場合が少なくないといふ。

 本書が指摘するやうに地球神話学の手法で身近な景色を見ることで想像力が刺戟され、地域の物語がより豊かになる。神社や地域振興へのヒントが見つかるかもしれない。
〈税込2860円、創元社刊。ブックス鎮守の杜取扱書籍〉
(茨城・常陸國總社宮宮司 清原師竺)
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