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論説 高市政権の取組み 典範改正の早期決着に期待

令和8年03月09日付 2面

 「高市早苗が、内閣総理大臣で良いのかどうか、今、主権者たる国民の皆様に決めていただく」――去る一月十九日に首相自らさう訴へ、電撃解散に踏み切っておこなはれた衆議院議員総選挙。投票結果は、事前のあらゆる予測を遙かに越えて自由民主党に劃期的な大勝利をもたらした。これはわが国が歴史的な一つの大きな転換期を迎へたと見るべきであらう。自民党としては、党の倫理憲章で掲げた「世界に誇るべき国体と良き伝統を保守する」ためにも、真の保守政党としての自覚を取り戻し、これまで積み残してきた重要課題の解決に、大胆に取り組む好機が到来したと捉へるべきではないか。
 自民党が衆議院で単独でも三分の二を優に超える三百十六議席を得たことの意味は格別重要で、その責任は重いといはねばならない。自維連立の政府と与党は、過半数を割る参議院でたとひ法案が否決されるに至っても、衆議院に差し戻し、出席議員の三分の二以上で再可決することにより、すべての法案を成立せしめる絶大な権能を憲法上獲得することになったのである。


 このやうな盤石の信任を国民から得た高市首相は、衆院選後の特別国会における施政方針演説の冒頭、「重要な政策転換を、何としてもやり抜いていけ」と、国民から力強く背中を押してもらったとの思ひを披瀝。さらに「信以て義をおこなひ、義以て命を成す」といふ中国古典の言を引用しつつ、引き続いての政権運営に対する使命感と覚悟を表明した。洵に頼もしい限りである。
 施政方針では、高市首相がこれまで党の政務調査会長や総務大臣、経済安全保障担当大臣として自ら手掛け、また自らの手で実現を図りたいと練り上げてきた総合的な国力強化策が提示された。それらは経済力・技術力・外交力・防衛力・情報力・人材力、それに治安・安全の確保を加へた七項目で、それぞれに具体的な政策や対策の必要性等も示され、いづれも将来を見据ゑた大事な施策として評価し得るものだ。首相はこれまで、「国論を二分するやうな大胆な政策」の必要性についてたびたび言及してきた。そのやうな政策の実現には野党や世論の反対・抵抗など困難も予想されるが、首相の熱意によって実現を目指してほしい。


 高市首相は、施政方針演説の「むすび」において、行政府の長としての立場から立法府の国会に対し、懸案となってゐる二つの重要事項の議論促進に期待する旨を表明した。一つは皇室典範の改正に向けた安定的な皇位継承等のあり方に関する議論であり、いま一つは憲法改正発議の早期実現に向けた党派を超えた建設的な議論である。どちらも国家の根幹に関はる重大な課題といへるが、まづは皇室典範の改正について、自民党の選挙公約と日本維新の会との連立政権合意書に基づき、現状の継承順位を変更しないことを前提に、「皇族には認められていない養子縁組を可能とし、皇統に属する男系の男子を皇族とする」案を第一優先として立法化を目指してもらひたい。
 皇室典範改正の議論に関しては、令和四年一月十二日に当時の岸田文雄首相が有識者会議の報告書を国会に提出し、事前に「立法府の総意」の取り纏めを求めてからすでに四年以上が経過してゐる。これまで衆参両院の議長と副議長のもとで各党からの意見聴取がおこなはれてきたが、最大野党だった立憲民主党の野田佳彦代表が、女性皇族と結婚した配偶者の男性とその子も皇族とする考へに固執するなどして抵抗し、膠着状態となってゐた。しかし今回の衆院選で国会の情勢は一変した。立憲民主党は、自民党との連立を解消した公明党と中道改革連合を結成して選挙に臨んだが、壊滅的な大敗を喫してゐる。新たな国会勢力のなかで取り纏めの議論が進展し、早期決着が図られることを願ふものである。


 今回の衆院選では神道政治連盟が推薦した候補者の多くが当選を果たした。自民党は六十六人もの新人議員を抱へ、派閥解消後の教育が大きな課題となってゐる。皇室典範と憲法の改正については、神政連の今後の働きかけの努力が必要とされよう。
 衆議院議員の任期は四年で、高市首相による長期政権が期待されるところだ。神政連が掲げる諸施策についても、神政連国会議員懇談会を通じて実現していくことを切に望むものである。
令和八年三月九日

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