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【新刊紹介】名水と日本人 起源から百名水まで、 文化と科学でひもとく 鈴木康久・河野 忠著

令和8年01月26日付 6面

日本人との共存の姿 役割の一つ一つから

 本書は、記紀万葉の世界が伝へる名水、平安時代の人物ゆかりの水と宗教の水、室町時代以降の新たな水文化、茶人・茶事の水、江戸時代の民衆の水、明治時代以降の生業の水、水質が生み出した名水、自然環境と共存する巧みな水利用、と魅力的な章立てで、名水の世界を描いてゐる。

 名水は日本人の暮らしとともにあった。千年以上の歴史の中で、水に名を付けることで、日本人は存在を他に示して、役割を明確化してきた。本書は、その一つ一つが日本人と水との関係を教へてくれる。時代相を章ごとに楽しみ、全国各地の名水を尋ねるための便ともならう。豊富な水をも無駄なく利用し共存してきた姿がここにある。
〈税込1265円、中央公論新社刊。ブックス鎮守の杜取扱書籍〉
(國學院大學名誉教授・茂木貞純)
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