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論説 青葉会議終はる これからの新たな一歩に期待

令和8年06月01日付 2面

 神社本庁の五月定例評議員会を中心とする青葉会議が終はった。
 神社本庁設立八十周年の節目にあたった今年は、秋篠宮皇嗣・同妃両殿下の台臨を仰ぎ東京・明治神宮会館で記念式典を挙行。評議員会をはじめ、神社庁長会や全国神社総代会の代議員会など、各種会合もそれぞれ恙なく執りおこなはれた。
 をりしも伊勢の神宮では第六十三回神宮式年遷宮の諸祭・諸行事の一つ、第一次お木曳行事が盛大に執りおこなはれるなかでの今年の会議。式年遷宮の完遂に向けて、決意を新たにする良い機会ともなったのではなからうか。


 神社本庁設立八十周年記念式典において秋篠宮皇嗣殿下には、国家と神社の分離を目的とした神道指令が発せられたことから、民間の神社関係三団体が相寄り神社本庁が設立され、これまで祭祀の振興と神社の興隆、伝統・文化を守り伝へることに努めてきたことを御述懐。都市化の進展のなかにあって、神社が人々に心の安らぎを与へる場にもなってゐることに触れられ、「私も出先で神社が近くにあると、自然に足が向くことがあります。そのような神社に継承されている行事を通じ、今後も、地域に活力をもたらし、社会の平安に寄与されることを祈念しております」と述べられた。
 また現在、神社本庁が式年遷宮に向けた気運醸成を図るべく準備に取り組んでゐることに関して、「式年遷宮の伝統を守り、後世に伝えていくことには、さまざまな困難があると思います。今日、ここにお集まりの皆様のご尽力により、式年遷宮への一層の理解が得られ、式年遷宮を多くの人たちと迎えられることを願っております」と語られた。
 神宮・神社に寄せられるお気持ちは洵にありがたく感謝の念に堪へない。引き続き式年遷宮に向けた気運醸成はもとより、祭祀の振興と神社の興隆、伝統・文化の護持継承に努めるとともに、神社が「自然に足が向く」やすらぎの場であり続けられるやうに尽力していきたいものである。


 評議員会では本庁当局が提出した新年度予算案をはじめ、庁舎外壁他各所改修工事や大講堂会議システム入替工事に係る議案などを決議。また評議員提出議案として、憲法改正と英霊顕彰に係る議案に加へ、「第六十三回神宮式年遷宮に向けて、国民総奉賛への気運醸成を図るため、教化活動及び広報活動を積極的に行ひ、奉賛事業を強力に進めるやう、神社本庁に要望するの件」の三議案を上程・決議し、後継者育成に関する一件が当局送付となった。
 さらに自由討論では式年遷宮関係費の有効な使途について発言があり、前年度の当該科目の予算執行率が半分以下、今年度もこれまで一四%に留まってゐることを指摘した上で、神宮の二十年に一度の遷宮を疎かにしてゐるといふ誹りは免れないと強調。「本庁の職員は給料を誰から貰ってゐるか。全国津々浦々の国民の心からなる浄財が、めぐりめぐって職員の生活の糧になってゐる。そのことを決して忘れてはならない」との思ひを披瀝しつつ、「遅ればせながらの感はあるが、遷宮に向けて積極的な、そして有効な予算執行に努めていただきたい」と語った。
 この自由討論については閉会に際しての挨拶で、田中総長が「私ども役職員、今後は気を引き締めて遷宮の完遂に向け、教化・広報活動をはじめ奉賛活動に邁進してまゐりたいと心を新たにしてゐる」と応答。鷹司統理においても用意された挨拶文を読み上げた後、「さきほどの自由討論には感じるところがある」として、改めて言及した。関係者それぞれの立場において、自由討論の率直かつ建設的な意見を真摯に受け止めたい。


 神社本庁設立八十周年の節目を迎へた今年の青葉会議を終へた今、記念式典における秋篠宮皇嗣殿下のお言葉をはじめ、評議員会における式年遷宮に係る議案決議や自由討論での意見、そして閉会に際しての総長・統理の発言について、一人一人がわがこととして考へたい。
 「八十周年の節目に相応しく、神社本庁として新たな一歩を踏み出す転機となる有意義な青葉会議だった」と、いづれ改めて振り返ることができるやうに、遷宮完遂をはじめ、斯界一丸となってのこれからの取組みに大いに期待するものである。
令和八年六月一日

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