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論説 募財と広報・教化の諸準備を 遷宮奉賛会が始動

令和8年06月08日付 2面

 今号掲載の通り、伊勢神宮式年遷宮奉賛会の第一回理事会が五月二十五日に都内で開催された。
 会議では、令和八年度の事業計画や収支予算をはじめ一般財団法人としての諸規程などが承認されてゐる。令和六年四月、天皇陛下による御聴許を拝して正式に始められた式年遷宮の御準備。昨年五月には諸祭・諸行事の嚆矢として山口祭・木本祭が斎行され、現在は全国の神社関係者も特別神領民として参加する第一次お木曳行事が執りおこなはれてゐる。
 諸祭・諸行事に加へ、奉賛会による募財活動の準備もいよいよ本格的に動き出した。皇大神宮・豊受大神宮の遷御の儀が予定されてゐる令和十五年を見据ゑながら、今後の奉賛活動の展開に向けて決意を新たにしたい。


 式年遷宮の奉賛会については、平成二十年の公益法人制度改革後における初めての設立となることから、昨年四月に開設された設立準備室で慎重に調整・手配が進められてきた。今年四月二十七日には神社本庁と日本商工会議所・一般社団法人日本経済団体連合会・公益社団法人経済同友会の経済三団体が設立者となり、まづは一般財団法人としての設立登記を申請。このほど手続きが完了し、登記申請日の四月二十七日に遡って正式に設立されることとなった。
 今後は公益財団法人への移行について内閣府に申請し、令和八年度内を目処に、遅くとも九年度早期に認定を受ける見通しだといふ。さらに公益財団法人への移行後は、従来同様に財務省に指定寄附金の申請をおこなふとともに、九年度においては中央における業界団体への説明や募金依頼、また全国各地における地区奉賛会の設立など募財活動に向けた諸準備を推進。具体的な募金受付けは令和十年度に開始し、以後五年間に亙って募財活動を実施するとの予定が示されてゐる。
 ただし公益法人制度改革の影響により、地区奉賛会の設立や事務に関しても前回とさまざまな点で変更があるといふ。現在、その組織や事務運営などについて検討が進められてをり、いづれ神社本庁でも説明会の開催を予定してゐる。前回との変更点を含め詳細が未確定な部分もあるが、まづは今後の流れを共有しつつ、地区奉賛会の設立や募財活動に向けて遺漏なく諸準備を整へておくことが求められよう。


 奉賛会においては、全国的な募財活動を展開して式年遷宮を資金面から支援するとともに、各種の広報啓発活動を通じ、式年遷宮の有する文化的意義・歴史的価値について広く国民各界各層に理解・認識を深めてもらふことを役割とするといふ。
 このうち募財活動に関しては昨年七月の神宮式年遷宮委員会において、五百七十七億円の遷宮費のうち、奉賛会では業界団体・大企業などを中心とする中央募金と一般個人・地方企業などを中心とする地区募金により、百九十億円の募財を担ふとの試算が示されてゐる。なほ前回の式年遷宮に際しては、五百五十億円の遷宮費のうち、奉賛会で二百二十億円の募財を担ひ、このうち中央募金で七十五億円、地区募金で百四十五億円を分担することとされた。
 また広報啓発活動に関しては、公益財団法人としての認定を見据ゑつつ、公益性を訴求する内容も検討していくとのことで、有意義な活動展開が期待される。もちろんさうした奉賛会による活動とともに、広く斯界においても今後の募財活動を円滑に進めるため、神宮・神社本庁を含めた密接な連携のもとで、今できること、今やるべきことを考へていきたい。


 をりしも神社本庁では六月十二・十三の両日、マスコミ関係者を対象とする第二十四回伝統文化セミナー「式年遷宮―御神木のお祭り―」を伊勢において開催予定で、参加者はお木曳行事にも参加するといふ。また七月の新年度を前に、「教化組織の連携による神宮奉賛の教化体制充実に向けて」を主題とする三カ年継続の教化実践目標が策定されてゐる。
 さうした広報活動・教化活動をはじめ、遷宮奉賛・参宮促進・神宮大麻の奉斎をも視野に入れながら、足場固めのやうな取組みも必要だらう。そのやうな地道な活動が、国民総奉賛による遷宮完遂はもとより、国家の重儀としての式年遷宮の真姿顕現に繋がっていくと信じるものである。
令和八年六月八日

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