茅葺きへ是正・再考を 有志が要望書を提出
令和元年09月09日付
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有志らで組織する「伝統に即した大嘗宮造営を願ふ国民の会」では八月十九日、今秋の大嘗祭にあたって造営される大嘗宮の屋根について「古来の伝統に即して茅葺きとすべき」ことを求める要望書を内閣総理大臣と宮内庁長官宛に提出した。
同会は昨年十二月の第三回大礼委員会において、大嘗宮の主要三殿の屋根材を茅葺きから板葺きに変更するとの方針が示されたことを深く憂慮して結成。このほど、その是正・再考を求めるため賛同者から連署を募った上で、「伝統を尊重した大嘗宮の御造営を求める要望書」を提出した。なほ「伝統に即した大嘗宮造営を願ふ国民の会」は、大原康男・小堀桂一郎・田久保忠衛の各氏を呼掛人とし、荒岩宏奨・中村信一郎・福永武・小田内陽太の各氏が世話人を務めてゐる。
要望書では、大嘗宮の屋根材を茅葺きとする古代以来の伝統が、応仁の乱による中絶を経た江戸期の再興時、さらには近代以降も平成まで受け継がれてきたことなどを強調。大嘗祭について、皇室に伝はる最も古い文化、伝統儀式であると同時に、新帝陛下が悠紀・主基両地方から奉られる新穀を神前にお供へになり国家・国民の安寧を祈られるなど、国民統合の歴史的な形を示す重要な国家儀礼であることも指摘しつつ、大嘗宮の屋根仕様を迅速に再検討するやう強く求めてゐる。