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「皇位の安定的な継承」 諸課題に関し見解発表 時の流れ研究会

令和2年04月27日付 1面

 神社新報社が設立した「時の流れ研究会」(会長=高山亨神社新報社社長)では、「皇位の安定的な継承を確保するための諸課題」についての見解を四月十九日付で発表した。

 この見解は、平成二十九年六月の「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する附帯決議」で、政府に対し、同法施行後に「安定的な皇位継承を確保するための諸課題、女性宮家の創設等」の方策について検討が求められてゐることに鑑みたもの。
 同会では今回の御代替りに際し、平成二十九年五月以降、皇室の歴史・伝統・文化に則った改元や関係諸儀式の望ましい在り方について六回に亙り見解・要望として発表し、引き続いて皇位の安定的な継承策について昨年以降議論を重ねてきた。四月十九日の立皇嗣の礼は延期となったが、このことは先延ばしできない当面する肝要な課題として、発表時期に想定してゐた四月十九日に予定通り見解を発表することとした。
 同会の主な参画者は、高山会長のほかに田尾憲男(憲法・皇室法研究家)、所功(京都産業大学名誉教授・モラロジー研究所客員教授)、百地章(日本大学名誉教授・国士舘大学特任教授)の各氏など。取纏めにあたっては、相違する各自のこれまでの考へを踏まへつつも、皇位の安定的な継承を確保するための現実的に実現が可能な具体的な方策について協議し、同会とは異なる立場の見解なども勘考しながら種々の検討を重ねてきた。
 発表された見解では基本方針として、憲法と皇室典範に定められてゐる、皇位は世襲であり、皇統に属する男系の男子が継承することが「基本原則」であることと、継承順序に関する「基本前提」を確認。政府の検討で主要な論点になると考へられる女性天皇・女系天皇・女性宮家等については、いづれも否定する立場を示してゐる。
 その上で必要な具体策として、適正規模の皇位継承資格者を確保するために元皇族の男系男子孫の適任者が皇族の身分を取得できるやうにすること、皇族間の養子を容認して現宮家の将来的な存続を可能にすることなどを提言。皇室典範特例法等を検討しての立法整備を要望してゐる(2面に全文)。