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諸課題の検討に対し 高山会長がコメント 時の流れ研究会

令和2年11月16日付 2面

 神社新報社が設立した「時の流れ研究会」の高山亨会長は、十一月八日に立皇嗣の礼が執りおこなはれたことを受け、祝意を表するとともに今後予想される「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する附帯決議」に関はる検討について、同会が四月十九日付で発表した「『皇位の安定的な継承を確保するための諸課題』についての見解」を踏まへた検討となることを求めるコメントを発表した。

四月発表の見解 参考として期待

 同会が四月に発表した見解は、平成二十九年六月の「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案」の附帯決議で、政府に対し、同法施行後に「安定的な皇位継承を確保するための諸課題、女性宮家の創設等」の方策について検討が求められてゐることに鑑みたもの。基本方針として、憲法と皇室典範に定められてゐる、皇位は世襲であり、皇統に属する男系の男子が継承することが「基本原則」であることと、継承順序に関する「基本前提」を確認し、政府の検討で主要な論点になると考へられる女性天皇・女系天皇・女性宮家等については、いづれも否定する立場を示してゐる。
 その上で必要な具体策として、適正規模の皇位継承資格者を確保するために元皇族の男系男子孫の適任者が皇族の身分を取得できるやうにすること、皇族間の養子を容認して現宮家の将来的な存続を可能にすることなどを提言。皇室典範特例法等を検討しての立法整備を要望してゐる(四月二十七日付既報)。
 立皇嗣の礼が執りおこなはれたことを受け、高山会長は「文仁親王殿下が皇嗣となられたことを広く国民に明らかにする立皇嗣の礼の諸儀式も恙なく執りおこなはれ、新型コロナウイルス感染症の影響で一部変更を余儀なくされた部分のあったことは残念ではありましたが、国民斉しくお祝ひ申し上げることができ、洵に慶賀に堪へないところ」と祝意を表明した。また今後、附帯決議に係る議論が予想されるなか「皇位継承は皇室の制度に関はる問題であり、憲法と皇室典範といふ国法上の最重要な事柄。個々の利害や価値判断を基に議論されるべきものではなく、皇室の長い歴史を踏まへて十分な検討を経て国民の理解を求めるべきものと考へる。本会が四月十九日に発表した見解が、関心を持つ多くの人々の参考となることを期待したい」とコメントした。