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【新刊紹介】高原光啓著『祭祀と祭式の近代史』

令和7年08月18日付 6面

「祭式学」確立を目指す 実践のための学問の書

 本書は祭祀及び祭式について思ひをめぐらせる上で、とくに明治期以降の祭祀制度形成に関して論述し、現代的意義を見出す祭式の研究書に位置づけられるものといへよう。そのことは著者自身が冒頭に「本書の主旨は、自ら祭祀を実践する立場から神社祭祀の本義を解明すること」にあると述べてゐる通りである。

 いふなれば本書は、学問のための学問ではなく実践のための学問の書でもあるといへる。その意味では祭祀の現場に従事する方にも何の意義をもって、またどのやうな理解をもって神明に相対するのかを改めて見つめ直すために繙読する価値を有するものといへる。
〈税込5060円、弘文堂刊。ブックス鎮守の杜取扱書籍〉
(三重・結城神社権禰宜、皇學館大学助教 田井健治)
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