文字サイズ 大小

【新刊紹介】愛国心とは何か 貝塚茂樹著

令和7年07月21日付 4面

いま「愛国心」を問ふ 教育と道徳の現場から

 戦後八十年を迎へた今、愛国心をめぐる議論に一石を投じる好著が刊行された。貝塚茂樹氏の『愛国心とは何か』(扶桑社新書)である。

 国語の教科書には反戦平和を訴へる戦争教材が掲載される一方、道徳教科書には戦争や軍人を題材とした教材が登場することはほとんどない。かうした偏りについて、著者は「しっかりとした愛国心を教えられない」とし、それは「子供たちにとって何より不幸」なことであると警鐘を鳴らす。愛国心とは、単なる情緒的な観念でも空虚なスローガンでもない。自らの生を通じて国をよくしようとする具体的な営みであり、それは教育によってこそ育まれるべきものである。本書は、今こそその原点に立ち返る時であることを、静かに、しかし力強く語りかけてくるのである。
〈税込1155円、育鵬社・扶桑社刊。ブックス鎮守の杜取扱書籍〉
(皇學館大学教授・渡邊毅)
関連書籍
[30050056] 愛国心とは何か 新刊 おすすめ
円(本体価格 1,050円+税)
貝塚茂樹 著 / 扶桑社
詳細

読書 一覧

>>> カテゴリー記事一覧