【新刊紹介】「人は右、車は左」往来の日本史 近江俊秀著
令和7年07月14日付
6面
身近な道路で繋がる 神仏の信仰世界など 日本古代の交通史を専門とする近江俊秀氏は、人間社会に必要不可欠な「道路」と「往来」の歴史に焦点を当てて『「人は右、車は左」往来の日本史』を著された。①歩行等の交通ルールをめぐる歴史、②乗り物の歴史、③道路上でおこなはれた祭祀と信仰、④権力と道路、といふ四つのテーマを設けてゐる。
第三章はもちろん、他章からも神々と道路との多様な結び付きを窺ひ知ることができる。身近な道路が取り持つかもしれない、神仏の信仰世界との繋がりにまつはる歴史や文化を、本書を通じて垣間見ていただけると幸ひである。
〈税込1980円、朝日新聞出版刊。ブックス鎮守の杜取扱書籍〉
(群馬・上州三嶋神社禰宜、國學院大學博物館客員研究員 吉永博彰)
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