【新刊紹介】戦後教育改革半世紀 世界をリードする日本へ 髙橋史朗著
令和7年07月28日付
6面
戦後教育の淵源と展開 課題解決への実践学ぶ 占領期の教育改革について、占領文書が公開されはじめた昭和五十年代から精力的に調査・研究をすすめ、先駆的な業績を残してきたのが本書の著者・髙橋史朗氏(元明星大学教授、現麗澤大学特別教授・モラロジー道徳教育財団道徳科学研究所教授)である。本書は、著者による研究や公務における成果の概要を記すばかりでなく、その背景にある問題意識や人的交流などを自伝的にも振り返ることで、「祖国救済」を志して歩んできた著者の半生における活動を体系的にまとめあげたものである。
戦後の社会は常に変化し続けてをり、神社神道の位相も一定ではない。神社崇敬を支へる国民思想の安定化のためには国民教育の再生が必須であるとの認識は、斯界共通のものといへよう。戦後八十年の節目を迎へるにあたり、まづは本書を手に取り、戦後教育の淵源と展開、そして課題と解決に向けた実践事例を著者の学識と経験から学び、多くの方に当該分野への理解を深めていただきたい。
〈税込2200円、明成社刊。ブックス鎮守の杜取扱書籍〉
(皇學館大学准教授・髙野裕基)
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