【新刊紹介】国学の敗戦 田中康二著
令和7年09月15日付
6面
国学的なるもの 存在を明らかに 田中康二先生の新著『国学の敗戦』は戦後の国学研究の偏見を「国学」と「国学的なるもの」とが混同視されたためであると捉へた。そして、先の戦時下における「国学的なるもの」の事象を(一)読み替へられる国学(馭戎論・愛国歌研究)、(二)繰り返される日本論(日本精神論・「日本的なるもの」)、(三)よみがへる神話(国生み神話・神風史観)の三項目に分類し、具体的に検証してゐる。
もしかすると今の平和な日本人に必要なのはこの「国学的なるもの」についての素養なのかもしれない。
〈税込6930円、ぺりかん社刊。ブックス鎮守の杜取扱書籍〉
(都立高等学校非常勤教員・國學院大學兼任講師 中澤伸弘)
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[31410041]
国学の敗戦
円(本体価格 6,300円+税)
田中康二 著 / ぺりかん社
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