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論説 斯界挙げて組織の活性化を 敬婦連・埼玉大会

令和8年10月12日付 2面

 今号掲載の通り、全国敬神婦人連合会(敬婦連)の主催による第七十六回全国敬神婦人大会・埼玉大会が、九月二十九日に埼玉県さいたま市大宮区内のホテルで開催された。
 大会では鷹司久美子会長が式辞を述べ、来賓からの祝辞があったのをはじめ、議事では令和七年度の会務や決算の報告、令和八年度の活動方針・事業計画案や予算案などを承認し、大会宣言の採択などもおこなはれた。このほか気象予報士・防災士による記念講演や、清興としてヴァイオリン演奏の披露などもあった。
 まづ以て、全国各地から約七百人もの敬神婦人が参集し、和やかな雰囲気のもと盛会裡に大会が執りおこなはれたことを慶びたい。

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 鷹司会長は式辞のなかで、昨今のたび重なる自然災害に触れて被災者への見舞ひの言葉を述べた上で、「このやうな自然災害に直面した際、改めて感じさせられるのは、家族や地域の人々が互ひに支へ合ひ、助け合ふことの大切さです。日頃から家庭の絆を深め、地域とのつながりを綿密にすることは、平時の暮らしを豊かにするのみならず、いざといふ時においても大きな力となります」と述懐。「豊かな家庭の構築や、鎮守の杜からの地域社会づくりなど、女性の立場からひたむきに活動を続けてきた私ども全国敬神婦人連合会の担ふべき務めは、なほ一層重大さを増してゐる」との思ひを語った。
 近年は自然災害に際し、公助に頼るだけでなく、自助・共助の重要性が指摘されてゐる。さうした家族や地域を自分たちで守るといふ取組みのなかで、平素より家庭の絆や地域のつながりを育む活動に努めてきた敬神婦人の役割には大きなものがあらう。
 また敬婦連はこれまで、そのやうな「豊かな家庭の構築や鎮守の杜からの地域社会づくり」などに限らず、さまざまな活動に携はってきた。とくに今回示された活動方針・事業計画案にも盛り込まれてゐる女子神職の育成と「心の教育」の充実、国旗小旗の作製等協力、ハンセン病及びその他の社会福祉事業への援護助成、産育の伝承に関する事業への取組みなどは独得かつ貴重なものといへよう。
 引き続き、全国各地の敬神婦人の活躍を大いに期待するものである。

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 ただ、同じく活動方針・事業計画案に掲げられてゐるやうに、かねて敬婦連では組織の拡充をはじめ、県連及び単位団体の結成促進及び若い世代の敬神婦人会への参加促進が課題とされてきた。実際、令和七年度の会務報告によれば、新たに結成された敬神婦人会がある一方で、解散・休会・退会となった事例も複数見られ、さらには県連組織の解散もあったといふ。
 もとより敬神婦人会としての組織を持たない神社でも、祭祀・祭礼での奉仕や平素からの護持運営などを含め、多くの女性たちが関はってゐる場合があるだらう。とくに近年は、例へば「神社deままマルシェ」「農家の嫁の夏の朝市」などとして、地域の女性たちによる神社を会場とした新たな催しが好評を博してゐるやうな事例も耳にする。かうした若い女性や子育て世代の女性の神社との関はりを、同世代の神職夫人や女子神職などを窓口としながら、ゆるやかな形で神社におけるさまざまな活動へと結びつけていきたい。
 敬婦連の組織活性化、次代を担ふ敬神婦人の確保・育成に向けて、まづは参考となるやうな各地での事例を収集し、その情報共有を図っていくやうな取組みも重要とならう。

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 そもそも敬婦連は、神社本庁の設立からわづか二年後の昭和二十三年、いまだ占領下の混乱のなかで外廓団体の第一号として組織され、現在の六つの指定団体のなかでももっとも長い歴史を有する。さうしたことは当時の先人たちの敬婦連に寄せた期待・熱意を表してをり、また、その斯界における役割の大きさ、活動・事業が独得かつ貴重であることについてはすでに述べた通りである。
 各地における敬神婦人会の解散・休会・退会に加へ、県連組織の解散も見られるやうになるなか、さうした課題を敬婦連だけのものとせず、二年後の令和十年に迎へる設立八十周年の節目なども見据ゑながら、斯界を挙げてその対策・対応に取り組んでいく必要があるのではなからうか。
令和八年十月十二日

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