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復古の夢――幕末維新期国学思想史 三ツ松誠著

令和8年09月21日付 6面

幕末維新の国学が 目指した復古とは

 著者の三ツ松誠氏は、日本近世史・日本思想史などを専門とする研究者であり、なかでも平田国学については、これまで質・量ともに充実した研究成果を世に問うてきた。本書は三ツ松氏が東京大学大学院に提出した学位論文に基づく。幕末維新の政治過程において国学が果たした役割と、そこでの本居宣長や平田篤胤の流れを汲む国学の特質を明らかにするといふ問題意識に基づき、「復古」をめぐる国学者たちのさまざまな活動の意味を考察してゐる。

 「あとがき」では、学位審査の際に審査委員からいくつかの異見が出されたことが記されてをり、本書を読む方々も箇所によっては著者とは見解を異にするところがあるかもしれない。ただ、著者が随所で自身の理解を明確に示して論じてゐることは何をおいても評価される点であり、近世後期から明治初年にかけての国学の政治的・社会的位相に関心を持つ諸氏にはぜひ御一読をお勧めしたい。
〈税込8250円、東京大学出版会刊。ブックス鎮守の杜取扱書籍〉
(國學院大學教授・遠藤潤)
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