日本語ライブラリー 大正・昭和前期の日本語 木村義之編著
令和8年09月21日付
6面
現代日本語の基層 「あり方」を捉へる 本書は、日本語に関する概説書シリーズ「日本語ライブラリー」の一冊で、大正から昭和前期までを扱ってゐる。日本語史において「現代語は主に第二次大戦後、すなわち昭和後期の事象を中心に記述されることが多い」(本書二頁)が、本書では昭和が六十年以上に亙ったことを考慮して「昭和前期をやや広く解釈し、敗戦から復興し、さらなる発展をとげる高度成長期の始まる一九六〇(昭和三五)年ごろまでを視野に入れ、そこまでを昭和前期とする」(六頁)。
本書の規定する昭和前期までの日本語は、現代の私たちが使ってゐる日本語の直接の基層である。本書の簡明な記述に導かれながら、少し前の時代のことばの姿を振り返ることにより、読者は現代日本語のあり方をより精密に捉へることができるだらう。
〈税込3960円、朝倉書店刊。ブックス鎮守の杜取扱書籍〉
(東京・大國神社宮司、東京都立大学人文社会学部教授 大島資生)
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