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論説 新施策の相乗効果への期待 新年度を前に

令和8年06月22日付 2面

 まもなく六月晦日の大祓が執りおこなはれ、それが終はって七月になると、斯界は令和八年度の新年度を迎へることとなる。
 今号掲載の通り、去る六月九日には神社庁事務担当者会が神社本庁において開催され、神宮大麻頒布向上施策実施要綱や教化実践目標など新年度からの新たな取組みを含め、本庁施策に関する説明があった。
 さうした施策について、各都道府県神社庁の事務担当者はもとより、神社本庁の構成員たる関係者一人一人が共有しておきたい。


 このうち神宮大麻頒布向上施策実施要綱は、令和八年度における神宮大麻頒布向上に向けた施策として策定。その趣旨には、第六十三回神宮式年遷宮に係る募財機関として今年四月に一般財団法人伊勢神宮式年遷宮奉賛会が設立されたことが新たに盛り込まれてゐる。その上で、今後は各都道府県での組織設立に向けた準備が進められることから、神宮崇敬の心を育み、遷宮の国民総奉賛へと繋げるべく、神宮と国民との絆である神宮大麻の奉斎を中心とした家庭祭祀の振興を図るため、諸施策を推進していくことが改めて明記された。また神社庁・支部の活動内容における推進会議・研修会・講習会等の開催にあたっては、可能な限り責任役員や総代等にも門戸を開き、頒布奉仕者の確保に繋げることも新たに加へられてゐる。
 近年は式年遷宮を見据ゑ、時宜に応じた施策を推進するとして長期的な計画は策定せず、「氏子区域の実態把握」や「頒布奉仕者の意識向上」といった重要課題の踏襲をはじめ、継続的な内容のもとで単年度ごとの施策が示されてきた。もとより神宮大麻の頒布に際しては、かうした本庁施策を踏まへながら、具体的には各地域においてそれぞれの実情に応じた取組みが求められる。神社本庁においては、引き続き各地域での取組みを強力に牽引するとともに、その後押しとなるやう、積極的かつ有意義な施策展開が期待されるところだ。


 また教化実践目標は、神社本庁設立五十周年を機に策定された長期的展望の「教化活動大綱」と中期的展望の「教化活動方針」に基づき、時宜に応じた教化活動に取り組むべく、三カ年ごとに提示されてきた。
 新たな教化実践目標は「教化組織の連携による神宮奉賛の教化体制充実に向けて」を主題とし、式年遷宮の意義啓発に向けた教化組織の整備充実や組織相互の連携、皇室敬慕の念の醸成と地域共同体意識の涵養、神道の自然観の啓発をはじめ神道思想の闡明などを盛り込んだ三項目が掲げられてゐる。さらに神社本庁・神社庁(支部)・神社(神職)それぞれにおける教化活動指針が列挙された。主題に盛り込まれた教化組織に関しては、総代役員等をはじめとする神社関係者を中心に、敬神婦人会・氏子青年会など神社関係組織の構成員を対象として意識の共有や連携を図り、斯界全体の教化力向上に努めることの重要性が強調されてゐる。
 顧みれば令和五年度からの三年間は、「氏子意識の涵養と精神の継承に向けて」を主題とし、氏子意識を基本とする共同体意識の涵養などに努めてきた。さうした成果も踏まへながら、それぞれの神社において教化組織の相互連携・整備充実を進めたい。氏子を基盤とする神社関係者を核としつつ、さらには外部の人材・組織などの協力・支援も得ながら、教化活動の一層の推進に取り組むことが求められよう。


 七年後の令和十五年に中心的祭儀である皇大神宮・豊受大神宮における遷御の儀が執りおこなはれる予定の第六十三回神宮式年遷宮。新年度からの神宮大麻頒布向上施策実施要綱と教化実践目標のいづれも、その国民総奉賛による完遂に向けた意義啓発などを意識した内容となってゐる。
 もちろん、さうした施策の推進にあたっては神宮・本庁をはじめ関係者の意思の疏通・意識の共有が重要であり、方向性の相違などの齟齬があれば望むやうな結果は得られない。神宮大麻頒布と教化活動におけるそれぞれの施策に取り組むなかで、その相乗効果による成果にこそ期待したい。
 新年度を前に、神社本庁の新たな施策について関係者が広く共有しつつ、第六十三回神宮式年遷宮の完遂に向けて決意を新たにしたいものである。
令和八年六月二十二日

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