杜に想ふ
皇室の弥栄を 山谷えり子
令和8年08月03日付
6面
毎夏、子供や孫たちと故郷福井でお墓参りをし、海で泳いでゐる。元気な若者たちの歓声も聞こえ、嬉しくなる。若かった両親を前に自慢気に抜き手を切ってゐたかつての少女時代を束の間思ひ出し、昭和、平成、令和と時が過ぎたことに感慨を覚えるのである。
先月の七月十七日、皇室典範が約八十年を経て改正された。何かのめぐり合はせか、私は衆議院議長公邸での各党各会派が意見を述べる全体会議メンバーとなり、「立法府の総意」とりまとめの席についた。衆参正副議長は、意見の隔たりを丁寧に確認しながら、静謐な環境のもとで審議が進むやう心をくだかれてゐた。
七月十五日には皇室典範改正の参議院特別委員会で質問に立たせていただいたのだが、NHK中継もあり、皇室の弥栄を願ひ、御存在の尊さを国民の皆様と改めて共有できたことは大きなことだったと思ふ。衆議院では実に九七パーセントの議員が、また参議院でも四分の三の議員が賛成し、衆参全体で九割超の賛成により施行される法律は、日本の生命の確乎とした輝きへと繋がっていくと考へてゐる。
養子となる方は、現行憲法下昭和二十二年十月に臣籍降下された方々の子孫で、私は審議のなかでGHQ占領政策の一環として経済的な圧力がかかったことや、離脱にあたっての『昭和天皇実録』における旧宮家の皆様を夕食に招かれてのお言葉「皇族としての皆さんと食事を共にするのは今夕が最後であります。しかしながら従来の縁故と云ふものは今後に於ても何等変るところはないのであつて将来愈々お互いに親しく御交際を致し度いと云うのが私の念願であります」を紹介させていただいた。また加藤進宮内府次長が旧宮家の方々に「万が一にも皇位を継ぐべきときが来るかもしれないとの御自覚の下で身をお慎みになっていただきたい」と要請されたことも紹介した。知らなかった人も多く、たくさんの反響をいただいた。
令和元年五月一日、第百二十六代今上陛下の朝見の儀でのお言葉「歴代の天皇のなさりようを心にとどめ、自己の研鑽に励むとともに、常に国民を思い、国民に寄り添いながら、憲法にのっとり、日本国及び日本国民統合の象徴としての責務を果たすことを誓い、国民の幸せと国の一層の発展、そして世界の平和を切に希望します」を思ひ、天皇陛下と御皇室の皆様の国家国民の幸せを願はれる御活動、祈りの尊さに感謝いっぱいである。紡がれてきた国柄は私たちの先人がともに歩み、守り、作り上げてきた歴史と伝統であり、その前で生きる私たちは謙虚に、また喜びと誇りをもって歩いていかなければと決意する。美しく重い伝統に国民の皆様の理解と共感がさらに広がるやう努めていきたい。
(参議院議員、神道政治連盟国会議員懇談会副幹事長)
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